2011-01-01から1年間の記事一覧

歯医者で「マイベストB級SF映画」を選ぶ。

数ヶ月に一度、歯科で歯の掃除をしてもらう。たっぷり1時間はかかるし、寝ることもできないので、時間つぶしにマイベスト◯◯◯を選んでみる。今回は「B級SF映画」。B級じゃないSF映画は、すぐにベスト5ぐらいまでは選べるが、B級となると、ちょっと難しくな…

中沢明子・古市憲寿「遠足型消費の時代  なぜ妻はコストコに行きたがるのか」

デフレや不況でモノが売れなくなっている、というのは「お父さん」の世界の話。お父さんではない「女こども」の市場では、次々にヒットが生まれている。モノが売れないというのは、売る側の怠慢だ、という主張。例としてあげられているのが、IKEA、コストコ…

万城目学「偉大なるしゅららぼん」

京都、奈良、大阪の次は、滋賀だ。滋賀というか、近江は、マイ古代史ブームの中で、かなり重要なポジションを占めているので、期待して読んだ。著者の作品は、「学園もの」プラス「伝奇的ファンタジー」である。軽妙な語り口で描かれる学園生活の中に、古代…

高城剛「私の名前は高城剛。住所不定、職業不明」

数年前から、自らのライフスタイルを一変させ、オーガニック・ノマドと言ってもいいような生活を送っている高城剛が、自らを語った初めての本。この人は、どこか胡散臭くて信用できない、という人もいるが「時代を見る眼の確かさ」「物事の見きわめの早さ」…

レイチェル・ボッツマン/ルー・ロジャース「シェア」

三浦展「これからの日本のために『シェア』の話をしよう」に続く「シェア」の2冊目。2冊とも、自分にとって、とても重要な本になると思う。そして、ここ数年、考え続けている問題の答があると思った。しかし読んでいる途中は、かなり辛かったことも告白し…

山田順「出版大崩壊 電子書籍の罠」

出版中止?禁断の書? 帯の「某大手出版社が出版中止した禁断の書」というコピーで退いてしまったが、著者の経歴を見て、購入。著者は、光文社に入社し、雑誌「女性自身」の編集長も勤め、カッパブックスの編集者としても活躍したベテラン編集者。2010年、34…

藤井耕一郎「大国主対物部氏---はるかな古代、出雲は近江だった」

近江に「ヘソ」「マガリ」という地名がある。 滋賀県の野洲川近くに「ヘソ」という地名と「マガリ」という地名が隣り合わせに位置する場所がある。上りの新幹線で京都駅を出て、トンネルを抜け、瀬田の鉄橋を渡ってしばらく走ったところにある。自由の女神の…

司馬遼太郎記念館

司馬遼太郎記念館 1996年に開館して以来、行かなければと思っている内に15年も経ってしまった。自分が読んだ作家の中で一番多いのが司馬遼太郎で、軽く100冊は超えている。家人が見つけてきた地元の旅行会社「銀のステッキ」が企画した日帰りツアーで、初…

高城修三「日出る国の古代史ーーその三大難問を解く」

書店に行くと必ず古代史のコーナーをチェックするが、本書もそこで発見した一冊。高城修三という著者の名前を覚えていた。著者の紹介に1977年「榧の木祭り」で芥川賞を受賞とあった。その作品を読んだことはないが、誰かの書評で「民俗学な手法や知識を用い…

三浦展「これからの日本のために『シェア』の話をしよう」

この本を読みはじめた時に、東日本大震災が起きた。 被災地の報道を目にして、言葉を失った。発生から2週間以上経過しても失語症状態は続いている。震災の報道を見ているだけで体調が悪くなったり、うつ状態になったりすることがあるという。阪神大震災の時…

佐々木俊尚 「キュレーションの時代」

この著者の本には随分影響を受けていると思う。本書は、「新聞・テレビが消滅する日」「電子書籍の衝撃」に継いで、メディアの未来を真正面から論じたメディア論である。前2作から著者の主張は一貫している。インターネットなど、デジタルメディアの発達と…

篠山マラソン3回目

2011年3月6日。今回で4回目のフルマラソン。篠山マラソンは、3回目。1回目は前半飛ばし過ぎて、後半失速。2回目はペースはキープしたものの寒さと雨で身体が動かず、最悪のタイムだった。初めて走ったフルマラソンが東京で、そのタイムをいまだ更新でき…

Night Runner

帰宅ラン計画 普段は土日しか走らないので、どうしても練習量が足りなくなる。ランニングの本によると「練習を3日間空けるな」とも言われている。そこで平日に走ろうと思うのだが、なかなか時間がとれない。そこで考えたのが「帰宅ランニング」である。知人…

須賀敦子の「やーね」

先週末、朝日カルチャー講座で湯川豊氏の「須賀敦子を読む」という講座を聴講。2月23日の日記でこの著書を取り上げたのも、この講座の予習を兼ねた再読だった。しかし結果は、かなり失望。講座で著者が語ったことは、すべて著書の中に書かれていたことで…

伊藤計劃「ハーモニー」

コンセプトはある。プロットも巧みだ。しかし物語の核心がない。 最初に言っておくと、この作者が書いた前作の「虐殺器官」は、自分の中で、ここ数年読んだ本の中で、最も重要な1冊であると思っている。読んでいるうちに、この作者の思考や狙いが、こわいほ…

湯川 豊「須賀敦子を読む」

優れた文学作品について書かれた本がある。それを読んだ感想をさらに書き残すなんてあまり意味が無いような気がする。しかし、この本は読みたかった本だ。そして期待は裏切られなかった。静かな、そして豊かな読後感に包まれている。そのことは書いておきた…

双眼鏡病に感染したかも。

仏像鑑賞旅行のために超小型の双眼鏡を入手したのが運のツキだったかもしれない。 ほとんどの仏像は、お堂の中の暗がりにお立ちになって、真っ黒だったりするものだから、ほとんど顔が見えなかったりする。以前、法隆寺の夢殿「救世観音像」の公開に勇み立っ…

大阪市立東洋陶磁美術館「ルーシー リー展」

行きそびれていた「ルーシー・リー展」をのぞく。陶磁器というより、もう少ししなやかな素材でできているような、有機的で伸びやかな形と質感。大胆だけれど繊細で微妙な色あい。古代の遺跡から出土したようなプリミティブさを感じる作品もある。鑑賞する人…

走る人

ずっとランナーという人種が好きになれなかった。長い距離を走り続けたいと思うランナーの気持ちがわからなかった。なぜ、そんなに辛いことを続けることができるのか?習慣にすることができるのか?散歩の途中で時々出会う、全身汗だくで、真っ赤な顔をして…

臼田 篤伸「銅鐸民族の悲劇ー戦慄の古墳時代を読む」

数年に一度、「マイ古代史ブーム」がやってきて、古代史関係の本を読みまくるが、そのきっかけになるのは一冊の本だったりする。その一冊に出会うことを期待して、年に十数冊は古代史関連の本を読むことにしている。本書も、そんな読書の中の1冊。古代史を…

ポークパイを買う。

帽子好きである。先日、「ポークパイ」というスタイルの帽子を買った。このところハンチングばかり買っているので、ハットは久しぶり。持っている帽子を数えてみると、40個ぐらいある。ランニング用のキャップだけで10個余り。ハットが10個。ハンチン…

桜庭一樹『「伏」贋作・里見八犬伝』

2日で読了。退屈しなかったが、もの足りない。 NHKBSの「週刊ブックレビュー」の特集コーナーで紹介されていた作品。江戸の町に「伏」と呼ばれる化物が出没し、残虐の限りをつくし、江戸の人々を悩ませていた。伏の首には賞金がかけられている。そこに剣術…

曽野綾子「老いの才覚」

「老い」「老後」「高齢者」などの言葉に敏感になっているこの頃。自分自身が年をとってきて、そして親が後期高齢者になって認知症とか介護の問題に直面しているせいだろう。新書で、この手の本をあまり買う気はしないのだが、タイトルの「老い」と「才覚」…

チャールズ・マケイン「猛き海狼」

冬休みのエンターテインメント第2弾。海戦小説という大好きなカテゴリーがあるのだが、なかなか新作が出てこないのが悩み。作家としてはダグラス・リーマン等がいるのだが、高齢のせいか、新作が出てこない。本書は、久々の海戦小説として期待した。有名な…

角幡唯介「空白の5マイル」

シロクマさんのオススメで購入。秘境探検ドキュメンタリーは好きなジャンルだが、21世紀のいま、世界中の秘境は踏破されつくしているからだろうか、読むのは、もっぱら19世紀から20世紀にかけての秘境探検の話。本書は、2009年という、ごく最近の探検…

スティーブン・ハンター「蘇るスナイパー」

冬休みの読書は、エンターテインメントに徹した2作品。こたつに入ってお酒を飲みながら、大好きなジャンルの小説(主として冒険&軍事&SF)を読むのは至福の時間。1作目は、久々の「スナイパー物」。著者は、スティーブン・ハンター。主人公は、元海兵隊の…

元旦の雪

正月早々、こわい思いをした。元旦、明石と三田の実家に帰った時のこと。天気予報では、前日の大晦日から強い寒波が日本列島を覆い、近畿地方の南部でも積雪があるかもしれないとの予測がされていた。雪が降るとやっかいだ。しかし、年が明けて、外を見ると…