2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤計劃「虐殺器官」

もう十数年前のことである。当時の写真週刊誌に、ボスニア紛争の写真が掲載されていた。カメラが捉えていたのは虐殺で犠牲になった「人間の骨」だった。記事には「憎悪のあまり、殺すだけでは足りず、肉を骨から削いだ。」とあった。思わず背筋が冷たくなっ…

内田 樹・釈 徹宗「現代霊性論」読了

「霊性」とはスピリチュアリティのこと。哲学者・内田樹と宗教学者・釈徹宗が神戸女学院大学院において対談形式で行った講義録である。内田先生独特のぶっちゃけ本音語りとユニークな論点。そこに釈先生の広く深い宗教全般への造詣が加わって、とても読みや…

難波功士「ヤンキー進化論  不良文化はなぜ強い」

いま、マーケティングの分野で「ヤンキー」が注目されているという。比較的早く結婚し、子だくさんで、親や家族を大切にする。地域の行事やコミュニティにも積極的に参加する…。ほんとうなの?と思う。現状や社会に対して不満を持って、つっぱっていた不良世…

雑誌BICYCLE NAVI、MOTO NAVI 休刊から復刊へ。

自動車雑誌NAVIの休刊とともに休刊の決まっていたBICYCLE NAVIとMOTO NAVIが復刊へ。 http://www.bicycle-navi.net/blog/2423.html 雑誌の休刊・廃刊が続いている状況で、ちょっとうれしい話。出版社である二玄社から独立する形で存続するらしい。自転車ライ…

隈研吾+三浦展「三低主義」読了

「負ける建築」の建築家、隈研吾と「下流社会」「シンプル族の反乱」を書いた三浦展の対談。「三低主義」とは、女性が結婚相手を選ぶ歳の「三高主義:高学歴・高所得・高身長」に代わる新しい男性の理想像「低リスク」「低依存」「低姿勢」のことらしい。目…

高村 薫「太陽を曳く馬」ようやく読了

最強の難攻不落小説、やっとやっと読破。2009年8月に購入したので半年以上かかったことになる。村上春樹「1Q84」を読み終えた直後、同じようにオウム真理教を題材にしたと思われる本書と篠田節子の「仮想儀礼」を購入。3作とも上下2巻という大作だ。こ…

篠山ABCマラソン完走

3月7日(日曜日)第30回篠山ABCマラソンを走った。フルは3回目。篠山は去年に続いて、2回目。ハーフも含めると7レース目だが、初めての雨になった。 会場まで 朝4時50分起床。雨。気温は6℃。朝食を食べて6時15分に出発する。予定より遅れめ。高…

ローレン・アイズリー「星投げびと--コスタベルの浜辺から」

たしか東京駅前の八重洲ブックセンターだったと思う。仕事を終え、大阪に帰る新幹線の出発までの時間を、本のタイトルを眺めながら過ごそうとしていた。目に飛び込んできたのがこのタイトル。「星投げびと」すぐ手に取って、ぱらぱらと中身を見て、そのまま…

久坂部 羊「廃用身」

海堂 尊の「チームバチスタの栄光」で味をしめ、医療ミステリーを探していてこの本に遭遇。グッチ先生と白鳥のおなじみコンビが活躍するノリの良いミステリーを期待していたのが、いきなり冷水を浴びせられたような問題作だった。ミステリーですらなかった。…

ウィリアム・ホープ・ホジスンの本

昔、東宝の映画で「マタンゴ」という作品があった。小学生のころ、近所の映画館で確か怪獣映画と2本立てで観たのだが、これが大人向けのホラー映画で死ぬほどこわかった。豪華ヨットで航海に出た男女7人が嵐に遭って難破する。たどり着いた無人島は、カビ…

司馬遼太郎のマイベスト作品

司馬遼太郎の作品でマイベストは何だろう。最近、人に聞かれると「坂の上の雲」と答えることが多かったが、本当にそうだろうかと最近思うようになった。他に好きなのは、大村益次郎を描いた「花神」高田屋嘉兵衛を描いた「菜の花の沖」幕末の医師松本良順を…

雑誌“NAVI”休刊

本日、最後の「NAVI」を購入。25年目だという。10代から愛読していたCAR GRAPHICの二玄社から発刊され、創刊号から愛読していた雑誌である。自動車雑誌というより自動車をキーに様々なテーマを語る「自動車文化雑誌」とでもいうのか、「クルマを見れば、…