2011-01-01から1年間の記事一覧

小松左京「虚無回廊1・2・3」

小松左京の最後の長編ともいえる作品。宇宙と人類の未来をテーマにした名作「果てしなき流れの果てに」「神への長い道」「ゴルディアスの結び目」等の系譜につながる壮大なテーマ作品だ。最初に刊行された時に「1」は読んだと思う。再読してみて、ストーリ…

小澤征爾×村上春樹「小澤征爾さんと、音楽について話をする」

いい本だと思います。読んで面白かったです。しかし自分にはこの本を語る資格はありません。この本の中で語られている音楽のほとんどを聴いたことがないからです。村上春樹がジャズだけでなく、クラシック音楽をここまで聴きこんでいるとは知らなかったです…

小松左京「小松左京の大震災'95  この私たちの体験を風化させないために 」

SFファン失格。 自分は「SFファン」を自称している。小学校の高学年からSFを読み始め、中学、高校、大学と、人生の最も感じやすい(?)時期をSFを読みながら過ごした。そのせいで、自分の人格形成にSFが深く関わっていることは間違いない、と思っている。ま…

石井光太「遺体 震災、津波の果てに」

東日本大震災の報道を見ていて、何か大きな欠落があると、ずっと感じていた。死者/行方不明者合わせて約2万人という数字が、いったいどんな事態を表しているのか、自分は想像することができなかった。津波に破壊された町の風景。避難所の光景。破壊された…

神戸マラソン 完走記

3週間 自分にとって、神戸マラソンの一番大きなポイントは、大阪マラソンの3週間後に開催されるということ。一般にフルマラソンを走った後は1カ月間は休息をとったほうがいいと言われる。最低でも2週間はトレーニングを行わず、食事と睡眠をたっぷり取る…

古川 日出男「馬たちよ、それでも光は無垢で」

友人に借りた本。友人は本書を読み始めたが「すごくしんどい。先に読んで」という。読んでみた。なるほど…。詩を思わせる、美しい、不思議なタイトルに惹かれる。著者の作品を初めて読んだが、一言で言うと、言葉のコードが違うという感じ。だから読みにくい…

大阪マラソン2011 完走記

10月30日、午前4時30分起床。昨夜は9時過ぎに就寝したが、なかなか眠れず、途切れ途切れの睡眠。しかし目覚めはよかった。窓の外は真っ暗。パンケーキを暖めて朝食。ランニング用の下着を履いて、暖かめの起毛の長袖シャツにカーゴパンツ。ランニングウエ…

「大阪マラソン 応援Tips」

「いよいよ大阪マラソン。知人・友人の何人かが「応援にいくよ」と言ってくれています。本当にありがとうございます。とてもうれしいです。知人・友人の応援に行くという人も少なくないと思います。しかし、今回のような規模の大きな市民マラソンになると、…

指南役「テレビは余命7年」

この本はテレビの危機を描いた本である。いわば「警告の書」である。なのに面白い。面白いといってしまっては不謹慎かもしれないが、ぐいぐい引き込まれて読んでしまう。面白さの理由は、僕たちがよく知っていると思い込んでいたテレビの世界の、知らなかっ…

明智憲三郎「本能寺の変 四二七年目の真実」

こんな面白い本が2年以上も前に出版されていて知らなかったとは…。まず著者の経歴が面白い。本能寺の変、山崎の合戦の後、秀吉の残党狩りを生き延びた光秀の子、於寉丸(おづるまる)の子孫であり、情報システム会社の役員を務める、理工系の方である。著者…

佐藤尚之『明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法』

著者とは過去に何度か仕事を一緒にしたことがあり、現在も自分が勤める会社が一緒に仕事をさせていただいている。それにしても、ここ2年ほどの著者の活躍はただごとではない。鳩山首相との会食に始まり、震災以降の八面六臂の奮闘ぶりはソーシャルメディアの…

池澤夏樹「春を恨んだりしないーー震災をめぐって考えたこと」

120頁ほどの薄い本。小説家が震災や原発について書いた本が読みたいと思った。報道の言葉ではなく、ジャーナリストの言葉でもなく、小説家の言葉で、今度の震災を語って欲しかった。被災地の光景や空気、匂い、音、人々を描写してほしかった。著者は詩人で、…

恩田陸「きのうの世界」

このところ震災・原発関係、スマートテレビ、電子書籍、シェア、コミュニティデザインなど、考えながら読む感じの本が多かったので、息抜きに小説を読むことにした。割と軽く読めて、たっぷり楽しめる長編小説がいい。買ったのは恩田陸「きのうの世界」と奥…

佐野眞一「津波と原発」

なぜ著者が原発や震災の本を書いたのだろう?と一瞬思ったが、他の著作を思い出して納得。「東電OL殺人事件」“原子力の父”といわれた正力松太郎を描いた「巨怪伝」。「東電OL殺人事件」は面白かったが、著者の思い込みの強さ、ゴシップを執拗に追いかける姿…

境 治「テレビは生き残れるのか」

ここ1〜2年の間読んだ、スマートテレビやテレビの未来を考察した本の中で一番よかった本。よかった理由は、未来のテレビのありかたや広告ビジネスのありかたを曲がりなりにも提示してくれていること。「インターネットやソーシャルメディアの普及によりテ…

中沢新一「日本の大転換」

中沢新一という人、よく読むし、好きなのだけど、ちょっと微妙なところもある。例えば「アースダイバー」という本は、東京の縄文時代の地図を頼りに、現代の東京を探検するという一種の紀行作品。かつて縄文人が聖地としたような場所は、いまでもお寺や神社…

角幡唯介「雪男は向こうからやって来た」

「空白の5マイル」に続く作品。前作は、21世紀の地球に、未踏の秘境がまだ存在していたという驚き。そして、著者自身がその探検に挑むというリアリティ。探検は過酷を極め、著者は生死の境をさまよい、かろうじて生還したという事実。さらに、その秘境をめ…

内田樹・成瀬雅春「身体で考える」

著名なヨーガ行者と内田先生の対談。自分はヨーガをやってる人とかが苦手で、あの容貌とかファッションを見ただけで引いてしまう。その上いきなり空中浮揚などと言われると拒否反応を起こすしかない。これはたぶんオウム事件のトラウマだ。もちろん、あの教…

隈研吾、清野由美「新・ムラ論TOKYO」

前作「新・都市論TOKYO」が面白かったので、迷うことなく購入。隈研吾という人、建築の方は門外漢なのでよくわからないが、文章のほうはかなりのものだ。読んでいる感じが誰かに似ているなと思ったら、内田樹ではないかと気づいた。どちらもおそろしく明晰で…

町山智浩「トラウマ映画館」

一度観ただけでトラウマになるほど強烈な映画ってあるのだろうか。少し前に書店で見かけた本書のタイトルがずっと気になっていた。2週間ほど前、本書を手に取ってみて目次を眺めて、ついに購入。紹介されている映画のうち、観たことがあったのは、この時点…

小山敬子『なぜ「回想療法」が認知証に効くのか」

母が入院し、父が一人になった。家に一人で住むのは難しくなり、高齢者用住宅に入居することになった。このところ、毎週、父のところへ行き、一緒に過ごす時間を作っている。80半ばに達した父は、急速に記憶力が低下しているようだ。特に短期記憶というの…

本の連鎖

本を読んでいて、本文の大きな流れにはあまり関係ないのだが「なぜか気になる箇所」が出てくることがある。それほど間を開けずに読んだ他の本の中に、前に読んだ本の「気になった箇所」と関連深いことが書かれていて、あれって、こういうことだったのか…、と…

広瀬隆「FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン」

著者には申し訳ないが、この十数年ほど、著者の本から遠ざかっている。「東京に原発を」や「危険な話」など、80年台にはよく読んだが、陰謀史観というのか、過激すぎる主張についていけなくなったというのが正直なところ。そのせいか、今度の「原発本いっき…

nightlrunner2

大阪マラソンまで4ヶ月を切った。 そろそろ本格的な練習を始めないといけないのだけれど、いきなりの猛暑で、足踏み状態。気合を入れる意味も込めて、帰宅ランを再開することにした。木曜の夜、会社でランニングウェアに着替えて、19時過ぎに出発。肥後橋か…

小出裕章「原発のウソ」

福島の原発事故をめぐる情報はいったいどれが正しいのだろう。震災発生直後から今に至るまで、東電や政府から出てくる情報が、ほとんど信用できなくなった。マスコミの報道で登場する専門家や学者たちの発言も、いまひとつ信用できない。何とか信頼できる情…

この3週間ほど原発の本ばかり読んでいる。

震災からちょうど1週間たった日のこと。東京で会社を経営する知人が事務所を訪ねてきた。彼は、震災の翌日から、社員十数人と家族を連れて、大阪に避難してきているという。ホテルに宿泊し、仮のオフィスを借りて、そこで1週間仕事をしていたという。明日…

レイチェル・ボッツマン/ルー・ロジャース「シェア」再読

この本は「2回以上読まないといけない」と思った。 この本を最初に読んだ時は大きな衝撃を受けた。http://d.hatena.ne.jp/nightlander/20110513/1305261517自分が、この1〜2年考え続けている問題のヒントが、この本の中にあると思った。しかも大震災以降…

岩崎純一「私には女性の排卵が見える 共感覚者の不思議な世界」

「共感覚」には昔から興味があった。音に色を感じたり、文字や数字に色を感じたり、という不思議な能力。著者は、共感覚のひとつとして、女性の生理の周期である月経や排卵が見えたり聞こえたりするという。しかも、それは美しい色や音や触感として体験する…

子安大輔「ラー油とハイボール」

ラー油とハイボール。 どちらも飲食業界の最近のヒット商品である。この2つがなぜヒットしたか、あなたは説明できますか?私は説明できない。だから本書を購入。著者は博報堂勤務を経て、飲食業界に転身。飲食業界のプロデュースやコンサルティングに関わっ…

山崎亮「コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる」

知人のtwitterのつぶやきで知り、「情熱大陸」でも紹介された話題の人。本が出ている。こんな風に急に話題になる人の本は、あっという間に書店でもネット書店でもあっと言う間に売り切れになるので、すぐ買いに行かねばと、打合せの帰りに茶屋町のマルゼン&…