ホラー

有栖川有栖「幻坂」

ちょっと寄り道読書。昨年3月に散策した天王寺七坂を題材にした短編集ということで購入。著者の作品を読むのは初めて。「大阪ほんま本大賞」というのがあるそうで、『大阪の本屋と問屋が選んだ、ほんまに読んでほしい本』ということらしい。本書は、2017年…

ウィリアム・ホープ・ホジスン「グレンキャリグ号のボート」

個人的な趣味の本の話。翻訳されるのを、40年近く、待ちに待って、待って、待ちくたびれて、諦めてしまっていた作品。英国の怪奇小説作家ウィリアム・ホープ・ホジスン(1877〜1918)の、ボーダーランド三部作と呼ばれる長編シリーズのひとつ。ナイトランド叢…

牧村泉「梅ケ谷ゴミ屋敷の憂鬱」

友人の寺久保さんのおすすめ。著者は、コピーライターから作家に転身、2002年、「邪光」で第3回ホラー&サスペンス大賞を受賞。寺久保さんが開いた集まりで会ったことがあるかないか…。「邪光」は読んだ。主人公の女性の心理描写が巧みで、平凡な主婦がじわ…

ウィリアム・ホープ・ホジスン「幽霊海賊」

翻訳を待ち望んで、30年以上。 個人的に30年以上翻訳を待ち望んでいた作品。百年以上前の古い作品だし、人に勧めるような本ではないが、とても嬉しかったので、感想を書くことにする。ホジスンの名を知る人は少ないと思う。1963年、東宝で「マタンゴ」という…

小野不由美「残穢」

怖すぎて、家に本を置いとけない。 友人のおすすめ。小野不由美の最高傑作かもしれないという。また「怖すぎて、家に本を置いとけない」とのこと。残穢:「ざんえ」と読む。僕自身は小野不由美ファンではない。スティーブンキング並の重厚な長編「屍鬼」を読…

恩田陸「きのうの世界」

このところ震災・原発関係、スマートテレビ、電子書籍、シェア、コミュニティデザインなど、考えながら読む感じの本が多かったので、息抜きに小説を読むことにした。割と軽く読めて、たっぷり楽しめる長編小説がいい。買ったのは恩田陸「きのうの世界」と奥…

桜庭一樹『「伏」贋作・里見八犬伝』

2日で読了。退屈しなかったが、もの足りない。 NHKBSの「週刊ブックレビュー」の特集コーナーで紹介されていた作品。江戸の町に「伏」と呼ばれる化物が出没し、残虐の限りをつくし、江戸の人々を悩ませていた。伏の首には賞金がかけられている。そこに剣術…

ウィリアム・ホープ・ホジスンの本

昔、東宝の映画で「マタンゴ」という作品があった。小学生のころ、近所の映画館で確か怪獣映画と2本立てで観たのだが、これが大人向けのホラー映画で死ぬほどこわかった。豪華ヨットで航海に出た男女7人が嵐に遭って難破する。たどり着いた無人島は、カビ…

飴村 行「粘膜人間」

少し前から書店の店頭で目についていた作品。第15回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。隣に並んでいた同じ著者の「粘膜蜥蜴」のほうにまず目が行ったが、デビュー作の本書を読んだ。身長195cm、体重105kgの小学生。河童、憲兵隊…。そんな異常な設定が何の説明…