読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

機械じかけの鸚鵡


AR.Drone Parrotなる機械がやってきた。簡単に言うとラジコンヘリコプター。いままでのラジコンヘリと違う点は操縦をiPhoneで行うことである。「絶対買うだろうと思ってたよ」「そんなもん買うのは、あんたぐらいですよ。私の知ってる限り」などという意地悪な声が聞こえてきそうだ。本当はハナから買う気なんて無かったのである。実をいうと、この製品のことは最近まで知らなかったのである。おまけにロボットとかラジコンに興味なさそうな人から教えてもらったのである。AIBOを4匹飼い、ラジコンロボット4体まで所有する自分が、ロボットのことを素人さんから教えてもらったら、もうおしまいだ。というわけで、見て見ぬふりをしていた。しかし、情報はどんどん入ってくるし、YouTubeには面白そうな動画がいっぱい置かれるようになってきて嫌でも目につくようになってきた。そして、ある日Amazonで、ぽちっと行ってしまった。
Parrot(オウム)というよりは虫っぽい。流線形っぽい胴体から4本の足が水平に伸び、その先端にプロペラが4つ付いている。ハルと呼ばれるボディを被せる。ハルには屋外用と室内用があり、室内用は、プロペラ保護のため、(もしくは器物や人やペット保護のため?)4つのプロペラををカバーするリングが付いている。室内用ハルを装着すると40cmX40cmぐらいのサイズ。重量はこれで420gになる。屋外用ハルだとプロペラ保護リングがなく、なんとなくアメンボを思わせるデザインになる。電池を充電する。フル充電まで90分を要する。その間にAppStoreでFreeFlightというアプリをダウンロードする。
初飛行、初墜落。
充電完了。では出発しよう。といってもオフィスの会議用テーブルの上だ。iPhoneとの通信はWiFiで行う。設定でWiFiにするとAR DRONEという名前が出てきて接続完了。FreeFlightを立ち上げる。画面上にいくつかボタンがある。左右に並んだ2つのボタンを触ってもうんともすんとも言わない。画面の中央上部には小さなボタンがあり、エマージェンシーと表示しているので、これが緊急ボタンと記憶する。画面下部にもうひとつボタンがある。これがパワースイッチらしい。タップすると、いきなりプロペラが回り出して50センチくらい浮かびあがった。かなりうるさい。そして、なんとそのまま静止している。これがいわゆるホバリングと言われるやつだ。このヘリ、えらい、と思ったのは、つまり、この「空中停止状態」が電源ON状態でのデファクト状態ということだ。何もしないと、このままバッテリの切れるまで、空中に静止しているという。この状態で左右のボタンを触っている内にプロペラの回転が速まって、上昇を始めた。天井にへばりついた。どうしたら下降するのかわからない。左右のボタンをいじっているうちに、こんどは急に下降。あえなく墜落。もう一度やってみたが、こんどは、どういうわけか横に移動を始め、観葉植物に引っかかって墜落。空を飛ぶ機械を操るのは大変な緊張を伴なう。
機械の眼が見ている。
ヘリの前と、下部にはカメラが付いていて、iPhoneの画面に映し出される。ヘリから見た人間を見るのは、不思議な感じだ。初めてAIBOから自分たちの住む世界を見た時のことを思い出した。機体を水平に回転させ、カメラを自分のほうに向ける。機械の目が自分を見つめている。パソコンやWebカメラで映し出された自分の映像を見るのと明らかに違う。無人偵察機に発見されてしまった兵士の気持ちが一瞬わかった気がした。映画「2001年宇宙の旅」の中で、自分を止めようと相談している宇宙飛行士たちの口元を見つめているコンピューターHAL9000の、冷たい眼を思い出した。
若者とパイロットが操縦する。
もう一度充電して再チャレンジ。今度は取説を読んで操作ボタンの使い方をきちんと理解する。しかし理解と操縦は違う。今度は上昇と下降、前進と後退に挑戦してみる。右側ボタンに触れ、上向きに動かすと上昇、下向きに動かすと下降、左右に動かすとヘリ自体が回転して方向を変える。それでも着陸はやっぱり墜落。若いスタッフに操縦を代わってもらうと、さすがに上手い。前後左右にびゅんびゅん動かして操縦する。しかしほぼ墜落気味の着陸。セスナのライセンスを持っているもう一人に操縦してもらう。今度は慎重だ。一度は着陸にも成功する。しかし彼も観葉植物のパキラの葉っぱに引っかかって、葉っぱを切り刻みながら墜落。初日はこれで終了。練習すれば、かなりいろいろできそうだ。ちっちゃなぐい呑みにお酒を入れ、空中を運んでいって、「さ、どーぞ召し上がれ」とやってみたい。名前はAR.DRONEといい、いわゆるARのゲームができるようだ。2機で空中戦を戦うこともできるようだ。ARの光線砲を撃ちあって戦っている動画がオフィシャルサイトで見ることができる。誰か「機械じかけの鸚鵡」を買って、私と空中戦を戦う気はないかな。次は屋外で飛行にチャレンジしたい。
P.S.2日目
飛行1回。前後左右、回転がスムーズにできるようになった。しかし狭いところを飛ばすのは難しいようで、本棚にひっかかって、しまって、5センチぐらいから墜落。本物のヘリだったら、すでに5回は死んでいる。