ミステリー

塩田武士「罪の声」

あの声の主 本書は1984年から1985年にかけて起きた「グリコ・森永事件」を題材にした小説。この事件を題材にした作品では高村薫の「レディ・ジョーカー」がある。本書の舞台は、事件から31年経った「現在の関西」だ。なぜ「現在」なのか?その理由は、主人公…

トム・ヒレンブラント「ドローンランド」

近未来の交通とメディアの姿を描いたSFを探していて、本書に遭遇。高城剛の「空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか」が予言するような「インターネットにつながった自律型ドローンが日常のあらゆる空間を飛び交う未来」を描いたSF。著者はドイツ人で、料理ミス…

小野不由美「残穢」

怖すぎて、家に本を置いとけない。 友人のおすすめ。小野不由美の最高傑作かもしれないという。また「怖すぎて、家に本を置いとけない」とのこと。残穢:「ざんえ」と読む。僕自身は小野不由美ファンではない。スティーブンキング並の重厚な長編「屍鬼」を読…

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖4 栞子さんと2つの顔」

「古書の世界」がベストセラーに。 古書というものに、若い世代ほど馴染みがないと思うのだが、古書店を舞台にした「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズがベストセラーになっているらしい。先日、FMを聴いていたら本書の作者の三上延と百田尚樹がゲストで出…

高村薫「冷血」

前作「太陽を曳く馬」から3年ぶりの長編。 「晴子情歌」「新リア王」「太陽を曳く馬」の難解三部作から一転しての、本格刑事小説、犯罪小説である。『僕らの高村薫が帰ってきた』と、高村ファンには好評のようだ。しかし「晴子情歌」「新リア王」を読んでい…

三上 延「ビブリア古書堂の事件手帖---栞子さんと奇妙な客人たち」「ビブリア古書堂の事件手帖2---栞子さんと謎めく日常」

自分では、まず買わない本である。先入観で選んではいけないが、この手の本はなかなか手が出ない。著者はライトノベルの作家だという。カバーおよび挿絵がアニメ風というかコミック風で、それだけで拒否反応を起こしてしまう。読んだ家人によると「古書の話…

恩田陸「きのうの世界」

このところ震災・原発関係、スマートテレビ、電子書籍、シェア、コミュニティデザインなど、考えながら読む感じの本が多かったので、息抜きに小説を読むことにした。割と軽く読めて、たっぷり楽しめる長編小説がいい。買ったのは恩田陸「きのうの世界」と奥…

スティーブン・ハンター「蘇るスナイパー」

冬休みの読書は、エンターテインメントに徹した2作品。こたつに入ってお酒を飲みながら、大好きなジャンルの小説(主として冒険&軍事&SF)を読むのは至福の時間。1作目は、久々の「スナイパー物」。著者は、スティーブン・ハンター。主人公は、元海兵隊の…

高村 薫「太陽を曳く馬」ようやく読了

最強の難攻不落小説、やっとやっと読破。2009年8月に購入したので半年以上かかったことになる。村上春樹「1Q84」を読み終えた直後、同じようにオウム真理教を題材にしたと思われる本書と篠田節子の「仮想儀礼」を購入。3作とも上下2巻という大作だ。こ…

久坂部 羊「廃用身」

海堂 尊の「チームバチスタの栄光」で味をしめ、医療ミステリーを探していてこの本に遭遇。グッチ先生と白鳥のおなじみコンビが活躍するノリの良いミステリーを期待していたのが、いきなり冷水を浴びせられたような問題作だった。ミステリーですらなかった。…

小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」

理数系の頭を持っていない自分には、数学やチェスのようなゲームの世界に強い憧れがある。「フェルマーの最終定理」や「ポアンカレ予想」に取り組んだ数学者たちのドキュメンタリーを読んだりするのが好きなのは、そんな理由からだと思う。 「博士の愛した数…

高村薫「太陽を曳く馬」

2009年7月に購入して以来、いまだに読了できずにいる難攻不落小説。村上春樹の「1Q84」とセットで読むつもりで買ったのだが、文体との相性が悪いのか、なかなか読み進めないでいる。なぜ「1Q84」とセットかというと、どちらも新興宗教を題材としてお…

柳 広司「ダブル・ジョーカー」

ジョーカー・ゲームの続編。 自分はこっちのほうが面白かった。ストーリーや展開がこなれてきている。出張の帰りの新幹線で読了。スタイリッシュなスパイミステリーだ。物語は日米の開戦で終わるが、続編は出るのだろうか。誇り高きスパイたちがあの戦争をど…

柳 広司「ジョーカー・ゲーム」

ちょっと薄味のスパイ・ミステリー。 妻が面白そうに読んでいたので、読む気になった。時代は、戦前。日本が太平洋戦争に向かって突っ走り始めた頃、陸軍にD機関と呼ばれたスパイ養成機関があった。スパイ小説といえば、罠、裏切り、尋問、拷問など、陰惨な…