ドキュメンタリー

山崎広子「声のサイエンス あの人の声は、なぜ心を揺さぶるのか」

日本人の80%は自分の声が嫌い。 仕事柄、取材やインタビューなどで録音された自分の声を聴くことが時々あるが、そのたびに、ほとんど生理的と言ってもいいほど強い拒絶反応が起きる。「なんで自分の声は、こんなに薄っぺらで、フニャフニャしてて、貧相なん…

NHKスペシャル「激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃」

石油の国で、世界最大の太陽光発電所を建設。 冒頭から、いきなり衝撃が来る。世界でも有数の産油国であるアラブ首長国連邦のアブダビで建設が進む世界最大の太陽光発電所。太陽光パネル300万枚を使用し、原発1基に相当するというこの発電所から生まれる電力…

上杉 聰『「憲法改正」に突き進むカルト集団 日本会議とは何か」

日本会議というの組織のことを知り、その活動の実態が明らかになって来ると、強い悔恨の気持ちにとらわれてしまう。70年代以来、僕らが政治に興味を失い、背を向けるようになってしまったこと。そして、その後、僕らが大量生産大量消費、経済至上主義にどっ…

菅野完「日本会議の研究」

本書は、ずいぶん売れているようだ。大手書店でも新刊コーナーで平積みされているところが多い。5月のはじめに発売されてから1ヶ月足らずでAmazonのレビューも100件を超え、さらに増加中。売れて当然だと思う。「日本会議」は、安倍政権の閣僚のほとんどが…

NHKスペシャル新・映像の世紀「02 グレートファミリー新たな支配者」

NHKスペシャル 新・映像の世紀「02 グレートファミリー新たな支配者」。録画しておいたのをようやく視聴。「01 百年の悲劇はここから始まった」もよかったが、今回も見応えがあった。20世紀に入って急速に台頭してきた大富豪たちに焦点を当てて資本主義の爆…

NHKスペシャル取材班「老後破産 長寿という悪夢」

大型書店の店頭。その老人は、新刊コーナーの前で一冊の本を長い間読んでいた。老人の前に僕が買いたい本があったので、そばでしばらく待っていたが、老人が動く様子が無いので、他の本を探した。新刊コーナーの棚を一周回って戻ってきても、まだ老人は同じ…

NHKスペシャル 未解決事件「file.03 尼崎連続殺人死体遺棄事件」

録画してあった番組を昨日ようやく視聴。番組を見始めてしばらくすると奇妙な感覚にとらわれた。事件が起きたマンション周辺の風景、商店街、一家を監禁したというアパート…。「杭瀬」という町の名前が出てきて、ようやく奇妙な感覚の理由がわかった。「杭瀬…

舟越美夏「人はなぜ人を殺したのか ポル・ポト派、語る」

ジェノサイド、ホロコースト、民族浄化…、いわゆる「大虐殺」は、十数年前から自分の読書の重要なテーマであり続けている。本書は、カンボジアで200万人を死亡させたとされるポル・ポト派の最高幹部たちに直接インタビューを試みた本である。これまでポル・…

角幡唯介「空白の5マイル」

シロクマさんのオススメで購入。秘境探検ドキュメンタリーは好きなジャンルだが、21世紀のいま、世界中の秘境は踏破されつくしているからだろうか、読むのは、もっぱら19世紀から20世紀にかけての秘境探検の話。本書は、2009年という、ごく最近の探検…

NHK「無縁社会プロジェクト」取材班『無縁社会』

今年の2月にテレビで「無縁社会」を見てから10カ月が経っている。 http://d.hatena.ne.jp/nightlander/20100208/1265596923 住所や氏名が不明で、引き取る遺族もない死者のことを「行旅死亡人:こうりょしぼうにん」と呼び、その実態は自治体も警察も把握…

松田久一『「嫌消費」世代の研究』

「消費しない」若者が増えているという指摘は数年前からあった、若者の「クルマ離れ」「ブランド離れ」「モノ離れ」はじわじわと拡がりつつある印象だった。最近、この「消費しない消費者」を題材にした本がポツポツと出てきた。本書は「嫌消費」世代という…

NHKスペシャル「無縁社会」

1月31日放映のNHKスペシャル「無縁社会」を一週間遅れで見た。「無縁死」と呼ばれる身寄のない死者が年間3万2千人もいることがNHK独自の調査で判明。番組スタッフは、いま世の中にとても奇妙な、深刻な自体が起きているのではないか…という意識を持っ…