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篠山マラソン3回目


2011年3月6日。今回で4回目のフルマラソン。篠山マラソンは、3回目。1回目は前半飛ばし過ぎて、後半失速。2回目はペースはキープしたものの寒さと雨で身体が動かず、最悪のタイムだった。初めて走ったフルマラソンが東京で、そのタイムをいまだ更新できずにいる。1000人走れば、900位がいいところの亀ランナーの記録。
いつものことながら練習不足で本番を迎える。
走り込み不足。1月は正月休みもあって200キロ近く走ったものの、2月は100キロを少し超えるぐらい。30キロ越えの練習は今年になって3度のみ。練習時にペースは上がらず、10キロ1時間を切ることもできてなかった。昨年、サブフォーを目指そうと決意したはずなのに、進歩なし。また昨年の夏の体重から5キロの減量を目指したが、2キロの減量に留まる。
駐車場探しで苦労する。
午前5時起床。荷物は昨夜から用意してあった。シチューと切り餅の朝食を食べて、6時15分に出発。中国道、舞鶴道は空いていて、篠山口ICまでは40分足らずで到着。出口付近で渋滞。会場付近には7時過ぎに到着。昨年駐車した臨時駐車場を目指すが、空き地だった場所に病院が建っており、駐車場がなくなっていた。しかたなく、一昨年と同じく、会場の南東部に向かう。一昨年停めた駐車場の近くに市の有料駐車場があり、そこに止める。会場までは歩いて10分足らず。昨年は5分ほどだったので、家人には不満だ。しかし駐車場内にトイレがあるのは正解。8時過ぎに受付に行く。会場までは一昨年と同じ道を通っていくが、新しいカフェができていて、家人はここでランチしようかな、とメニューをチェックしている。篠山城址の東側のお堀沿いの道は、マラソンのゴール直前のコースとなる。どんな走りで、ここに戻ってくるのか…。クルマに戻って、準備を始める。
気温により2種類のアウタートップを準備。
装備を記しておこう。前日までは寒かったが、当日は少し温度が上がった模様。会場に行ってからウエアを決めようと思い、アウタートップを2種類用意してきた。気温は、8時の時点では6度ぐらい。かなり肌寒い。その感覚から、防寒仕様のワコールCWXのアウターにゼッケンを付ける。ゼッケンを付けている間に気温が上がってきて、クルマの中はポカポカしてきた。これは暑すぎるかもしれないと、急遽、春用のアディダスのアウタートップにゼッケンを付け直す。アディダスにするとカラーは派手なオレンジになる。それを着て、外に出てみると、クルマの外は、相変わらず肌寒い。あわててアディダスの下にメッシュの半袖Tシャツを着る。これに防寒仕様のミズノのタイツとニューバランスのアウターパンツを履く。シューズは昨年と同じミズノのオーダーシューズ。カラーは目立つ蛍光オレンジ。昨年は思い切り目立っていたかが、今年は、派手なカラーやデザインのシューズが増え、あまり目立たなくなった。これにアディダスのバイザーを被る。かなりくたびれてきたCWXのウエストポーチも使い勝手がよく、今年も使うことにする。実は1週間前に、アシックスのウエストポーチを買ったのだが、容量が少し小さくなり、装着感も少しだけ違和感があって、結局いままで使っていたポーチに落ち着く。マラソンで使う道具は、少し違和感がある位でも長時間走っている内に、耐え難い痛みになったりするので、簡単に替えられない。ウェストポーチには、ティッシュ2個、飴を3粒、ジェルのサプリを3パック。カードサイズのメッシュケースに小銭300円と千円札3枚、バンドエイドを2枚。ウエストポーチのベルトに携帯ケースを取り付け、iPhoneを入れる。そうだ、もう一つ、恥ずかしい話だが、乳首に貼るバンドエイド。長時間走っていると、乳首がウエアに擦れて、擦り傷になり、ひどい時は、血だらけになることもある。通気性がよい、織り目の粗いウエアほど危険だ、女性用のニプレスを貼るランナーもいるらしいが、自分はもっぱらバンドエイドで代用している。iPhoneは、家人との連絡用であり、Nike+GPSというアプリを使う。GPSを使うとバッテリーの消耗が激しく、5時間近いランではもたないと思っていたが、練習中に、音楽をBluetoothでヘッドホンに飛ばしたりせず、走っている間、画面を消してスリープにしておけば、6時間以上は動くことがわかっている。走行中のラップは、ガーミンのGPSウォッチFR205でモニターする。ガーミンはグロスタイムを、iPhoneはネットタイムを測定する。右手には、もう1個、TIMEXの時計をはめる。ガーミンのGPSは表示項目が4つ設定できるが、確認したい項目を4つ表示すると(スタートからの走行距離、スタートからの経過時間、1キロごとの経過時間、ひとつ前の1キロラップ)時刻が表示できないため、TIMEXは時刻表示用なのである。あとひとつ、頭と両手を出す穴を開けた透明なビニール袋80cm×90cmにを防寒用に持参する。昨年は、このビニール袋の素晴らしい効果を体験している。
スタート前。気温は8度。風が少し。
9時30分に、駐車場を出て会場へ向かう。ゴールへの最後の道になるお堀のそばの道はすでに閉鎖され、お堀の南側を通る遠回りの道に誘導される。途中、広場があり、ランナーたちがウォームアップをしていた。荷物預かり所に行き、着替えを入れたリュックを預け、まだ時間があるので、先ほどの広場で3周ほど走って、ストレッチをゆっくりと行った。放送で選手の誘導が始まった。集合地点に向かう。昨年と同じDブロックだが、かなり後のような気がする。コースの外から名前を呼ばれた。家人がそばに来てデジカメを構えている。「何か、カメラが変。望遠になったままみたい。」そう言えば、先ほどデジカメの使い方を家人に教えている時に、ディスプレイに妙なマークが表示されていたな、と思い、マークをよく見ると、テレコンバータの装着モードがONになったままだったようだ。メニューを呼び出してテレコンモードを解除するのに2分ほどかかった。前方のステージでは、開会式やオープニングのイベントをやっているようだが、声だけしか聞こえてこないので、盛り上がらない。狭いところに押し込まれて身体を動かすことができないので、肌寒くなってきた。ウエストポーチからビニール袋を取り出して被る。ようやく登録選手のスタート10分前のアナウンスが聞えてくる。自分たちは未登録なので20分前だ。4度目のマラソンとなると緊張はしないが、それでもスタートが近づくにつれ、武者震いをしてしまう。iPhoneのショートメッセージの着信音が鳴り、取り出してみると、家人から。「スタート直後、左側のカメラマンのすぐ後に立っている」というメッセージ。短く「了解」と返事をする。ガーミンの電源を入れ、GPSの捕捉を開始する。iPhoneも、「Nike+GPS」のアプリを起ち上げる。ビニール袋を脱ぎ、小さく折りたたんでウエストポーチに収める。ジェルのサプリ3個をウエストポーチに入れているが、ウォーミングアップの時、重たくて、ちょっと走りにくかったことを思い出し、1個をスタート前に飲むことにする。
5分遅れのスタート!
登録選手の部が、スタートする。しばらくして列が動き始める。少し進んでは止まり、進んでは止まりを繰り返して、スタート地点に近づいていく。号砲が鳴った。ガーミンのスタートボタンを押す。しかし列は動かない。1〜2分ほど経って、ぞろぞろと歩きはじめる。このぶんで行くとスタート地点を通過するのは、5分は遅れそうだ。ようやくお堀端の道に出て北へ向かう。ゲートを通過する辺りから、ジョギングペースぐらいになる。ゲートを通過する瞬間、iPhoneアプリをスタートさせる。まずは北に向かい、会場のある区画をぐるりと巡った後、西へ向かう。集団が少しばらけてきてペースが上がってくる。最初の1キロは11分以上かかっている。ネットタイムとグロスタイムの差は5〜6分ほどか。さあ、ここから長い長い、気の遠くなるような道のりが始まるのだ。次の1キロが6分11秒で、自分にしては少し速いペースだ。篠山のコースは、簡単に言うと、スタート/ゴール地点の篠山城跡公園から最初、西に向かって走り、折り返して東に向かい、30キロ過ぎに折り返して、また西向きに走って、ゴールへ帰ってくる。西に向かって走りだす前に、会場の周囲を大回りでほぼ一周近く走る。周囲のペースが速く、どんどん抜かれていく。しかし、この流れに乗ってしまうと、後半まで持たないのは、一作年のレースで経験済みなので、ひたすら我慢する。それでもペースは1キロ6分5秒〜15秒と速めのペースを維持している。これで最後まで持つだろうか、と不安になるのもいつもの通りだ。5キロを過ぎても、抜かれ続けるパターンは変わらない。いつもなら、この辺りでペースメーカーになるランナーを見つけて、ついていくのだが、今日は見つけられない。このランナーはよさそうと思っても、すぐに置いていかれる。その上、何度か角を曲がっている内に、方角がわからなくなってしまう。走っている時、自分がどの方角に向かって走っているかという情報はかなり重要だと思う。土地勘のない場所では特にそうだ。東京マラソンのように街並みに特色があり、ランドマークがいっぱいあるコースでは、そんなことは起きないが、篠山のように、周囲が同じような高さの山に囲まれたコースでは、方角を失ってしまい、かなりのストレスになる。iPhoneで地図アプリを立ち上げれば済むことだが、走りながら、それをやる気にはならない。6.8キロの最初の関門を10分の余裕で通過。10分は少ないような気がする。方角感覚を失ったまま10キロを通過。15キロを越えた辺りで、見覚えのある風景に出会う。コースは東に向かっていることがわかって、すこし安心する。18.8キロで会場の北側をかすめる場所があり、応援が多くなる。コースの右側に寄って、家人を探す。ようやく家人を発見。ハイタッチをしてレースに戻る。レース後、この時の自分の印象を尋ねると、「汗をいっぱいかいてて、しんどそうだった」とのこと。ここを過ぎると、道はゆるやかに登っていく。歩き始めるランナーも出てくる。ようやく周囲と速度が合いはじめ、ペースメーカーになるランナーも見つかり、ペースの維持が楽になり、回りを見回す余裕も出てくる。先ほどから身長が190cmはありそうなランナーが自分と前後して走っている。体重も重そうで、辛そうだ。すこしペースを上げて、ちょっと先を走っているランナーを追いかけてみる。マラソンを走ったことがない人は、「4〜5時間もの間、苦しいのを我慢して、よく走れるもんだなあ」と驚くが、普通に練習を積んでいれば、3時間ぐらいまでは、気持ちよく走れて、全然辛くはないものだ。辛いのは、足が動かなくなってからだ。
ようやく半分。
相変わらずキロ6分10秒〜6分20秒ぐらいを保っている。21キロを過ぎたところでサプリを補給し、ちょっと元気になる。これでようやく道半ば。篠山のコースでいちばん辛いと感じるのは20キロを過ぎてから30キロ過ぎの折り返し点までの区間。風景が単調で、山の裾野をたどりながら、道は、どこまでもどこまでも続いていく。場所によっては、コースのかなり先のほうまで見えることもあり、はるか遠くにランナーの列が続いている。あそこまで行っても、まだ先があるんだと、気持ちが萎えそうになる。あまり遠くのほうまで見渡せるのも考えものだ。気を持ち直して、周囲のランナーに注意を向ける。せっかく見つけていたペースメーカーを、給水ポイントの混雑で見失ってしまった。少し先に、マラソンというより短距離ランナーのような体つきの背の高い女性がつかず離れずに走っている。体格はスプリンターだが、フォームは上下動の少ない、無駄のないマラソン向き。今度は彼女をペースメーカーにして走る。この辺りは、子どもたちの応援が多い。ハイタッチをしたり、「ありがとう」と声を出したりすると、少しだけ元気が出る。25キロ手前の角を曲がると、折り返し点から戻ってきたランナーと初めて出会う。先頭はとっくに通過しているので、3時間台のランナーだろう。折り返し点まで、戻ってくるランナーを観察しながら走る。宝塚から来ている知人も、この中にいるはずだ。しばらく顔を確認しながら走るが、見つからない。戻ってくるランナーの顔をいちいちチェックしていると、何だか疲れてくる。諦めて自分のランに専念する。いつの間にかペースメーカーにしていた女性が遅れ始め、次を探す。30メートルほど先に、ノースリーブで色の白い腕をむき出しで走っているスリムな女性を発見。帽子にポニーテール、ボトムはゆったりしたロング。彼女のまわりだけ物理の法則が違っているように、まるで浮遊しているかのように進んでいく。女性のランナーに時々、こういう人がいる。フォームは無駄がなく、滑らかそのもの。力をほとんど使わずに進んでいるように見える。自分は、勝手に「無重力ランナー」と呼んでいる。迷わず彼女をペースメーカーに選ぶ。しばらくして、彼女は一人ではなく、カップルで走っていたことに気づく。給水ポイントでは、必ず水かスポーツドリンクを飲んだ。水分の補給は、「早め」「少なめ」が原則。
折り返し点30.6キロ通過。
そして、ようやく、ようやく30キロ過ぎの折り返し点に到着。ここからレースは終盤に入る。30.6キロの関門は30分ぐらいの余裕で通過。去年は10分ほどだったので、今年はかなり速いペースでここまで来れた。ペースは1キロ6分20秒〜40秒で推移。どこまで持つだろうか。少しづつ足が重くなってきている。去年は売り切れだったシシ汁コーナー。今年はまだ残っている。ペースメーカーのカップルはシシ汁の列に並んだ。自分はペースが変わるのがこわくて、食べずに通過する。急にガクンと来なければいいが…。30キロ以降は、この不安との戦いだ。32キロを通過した時、あと10キロだと自分に言い聞かせる。いつも練習で走る武庫川の10キロのコースをイメージしながら走る。宝塚大橋の上が1キロ、チボリのゴルフ練習場前で2キロ、仁川を越えて5キロ…。35キロを越えて、サプリを補給。ここまで持ってきたビニール袋も捨てる。
いままででいちばん苦しかった終盤。
36.3キロの関門も30分の余裕で通過。しかし35キロ辺りから足が急に重くなってきている。ペースを落としたくないので、腕の振りを大きくしてみる。背中の肩甲骨の間が凝ったように痛みだした。風も少し出てきた。空は雲で覆われ、雨になりそうだ。左側に篠山川が流れる風景を走る。かなりの人が歩いている。30キロを越えてからは、追い抜くばかりになる。と思っていいたら、どこかで抜いた記憶のあるカップルが追い越していった。彼らに従いていこう、とペースを上げる。と言っても、腕を大きく振って無理やり進めるだけ。ここから先は本当に気力だけで走る。まだ6分台をキープできているのが不思議なほど。あと3キロのところで、雨がポツリと落ちてきた。ここまでくればもう大丈夫。家人には、去年の結果から4時少し前にゴールすると伝えておいたから、まだ来ていないかもしれない。電話しようか、と思ったが、iPhoneをちゃんと操作する自信が無い。前を走っていたカップルにもう一人が合流し、3人で励まし合って、ペースを上げる。ついて行こうとするが、気持ちに足がついて来ない。橋のたもとを市街のほうに曲がると、お堀端の道。家人がどこかにいるはずだ。ここは、こんなに長かったっけ。家人を探す。ダウンのコートにランニング用のキャップ。会場内に入る直前で発見。カメラを構えている。「カメラが映んない、へんだよ」と叫ぶ。見るとレンズキャップがはまったまま。「レンズキャップがついたままっ。もういいからっ」と走り出す。会場内に入ってからも長く感じた。そしてゴール。ガーミンを止めると。4時間40分のグロスタイム。iPhoneのほうは4時間35分。去年より20分以上は速い。完走メダルをかけてもらい、ミネラルウォーターを受け取って、シューズのICタグを外してもらう。雨が少しづつ強くなっている。家人からiPhoneに「完走おめでとう」のメッセージが来た。「ありがとう、荷物を取ってクルマに戻る」と返信。荷物を受け取って、更衣室に入ろうとしたら一杯で、軒下で着替える。足が硬直して着替えるのに苦労する。駐車場までが長かった。雨が強くなってきた。途中まで家人が傘を持って迎えにきた。クルマに戻ってすぐ出発する。帰りの道が混むからだ。篠山口ICに向かっていると、走って帰るランナーがいた。JRの篠山と会場の市街は数キロ離れていて、バスが運行しているのだが、バスが混んでいるのだろう。フルマラソンを走った後で、走って帰るなんて元気な奴らだ。さらにその先で、パンダの着ぐるみを着て走っているグループに遭遇。若者は元気だ。高速の入り口が混んでいて、なかなか動かない。待ちきれずに国道176号に出て、そのまま下道を走ることにする。ゴールを待っている間、家人は、朝見つけたカフェでとてもおいしいランチを食べ、古民家を改造した店舗でオーナーがギターを弾いて歌う喫茶店で時間を潰したらしい…。三田の手前で家人に運転を代わってもらう。予想以上に速いタイムでゴールできたが、疲労も激しかったようだ。2時間弱で帰宅。風呂に入って、夕食を食べたら、すぐ眠気が襲ってきた。しかし寝床に入っても足腰がだるくてなかなか眠れない。月曜、火曜と仕事で徹夜だった。身体が弱っている時に、激しく働いたせいか、風邪を引いてしまった。マラソンの翌日は1日有給をもらって休息しようと思うのだけれど、一度もできたことがない。
5842人中4235位 グロス4:39:41 ネット 4:33:23