批評
同じ著者による「村上春樹はむずかしい」を読んで、さらに、初期の村上作品を再読してみて、色々と考えさせられるところがあった。そこで「村上春樹はむずかしい」の前身とも言える本書も読んでみることにした。幻冬社から文庫で出ているが、1、2は絶版。3…
友人である原さんのおすすめ。デビュー作「風の歌を聴け」から「女のいない男たち」まで、村上春樹の作家活動の全容を新書250ページ余りで一気に語りつくす。著者は村上春樹の作家活動を「初期」(1972〜82)、「前期」1982〜87)、「中期」(1987〜99)、「後期…
本書を読むきっかけになったのは、以前のエントリーでも紹介したNHKスペシャル「新・映像の世紀 第2集 グレートファミリー 新たなる支配者」。その中で紹介されたケインズの言葉。以下引用。 「今、 我々がそのただ中にいるグローバルで、かつ個人主義的な…
「いいね」としか反応できない不自由さ。世の中には、そんな「不自由な紋切り型」があふれている。「禿同」「良記事」「全米が泣いた」「待望の〜」「誤解を恐れずに言えば」「逆にこちらが励まされました」…。ネットの世界に限らず世の中にはびこる「紋切型…
「ヤンキー」が話題である。「マイルドヤンキー」とか言うらしい。とても気になるし、その議論に違和感を覚える。本書は2012年に出版された本だが、感想がうまく書けないでいた。現在の「ヤンキーブーム」のきっかけを作ったような本であり、再読してみた。…
ポエムの氾濫。 「ポエム」なるものが世の中にはびこっているという。著者によれば、世の中には、テレビから、新聞、ネットに至るまであらゆるメディアに「ポエム」が氾濫しているという。特にNHKなどのニュース番組で、女子アナが読み上げるニュースまでが…
前書による混乱を収拾する? 前回のエントリーで書いた「オウム真理教の精神史」は、オウムの教義や世界観が、どこから来たのか?どのようにしてリアリティを持つようになったのかという問いかけから始まった本だった。そのために、著者は「宗教とは何か?」…
前作「新・都市論TOKYO」が面白かったので、迷うことなく購入。隈研吾という人、建築の方は門外漢なのでよくわからないが、文章のほうはかなりのものだ。読んでいる感じが誰かに似ているなと思ったら、内田樹ではないかと気づいた。どちらもおそろしく明晰で…
先週末、朝日カルチャー講座で湯川豊氏の「須賀敦子を読む」という講座を聴講。2月23日の日記でこの著書を取り上げたのも、この講座の予習を兼ねた再読だった。しかし結果は、かなり失望。講座で著者が語ったことは、すべて著書の中に書かれていたことで…
2月のエントリーに本書の購入エントリーがある。ちらっと「1Q84」について書かれた章を読んで、ちょっと遠ざかっていた。同じ著者と釈徹宗との対談「現代霊性論」を先に読み、さらに他の本にいろいろと浮気している内に家人に先に読まれてしまい、なかなか…