陽水のカバーでユーミンの曲を再発見。

友人に借りた井上陽水の「UNITED COVER 2」を聴いていて、4曲めの「リフレインが叫んでる」がとてもよかったので、誰の曲だろうと調べてみたら、なんとユーミン。イントロや冒頭の歌詞は覚えていたが、ユーミンの曲だと思っていなかった。彼女のアルバムは半分ぐらいは持っていて、プレイリストも作って時々聴いている。この曲は、最近買ったベストアルバム「日本の恋と、ユーミンと。」にも入っていたが、全然気づかなかった。88年発売の「Deligt Slight Light KISS」に収録され、シングルカットはされていないが、CMやテレビドラマの主題歌になったりで、けっこう有名な曲らしい。あらためてユーミン・オリジナルの「リフレインが叫んでる」を聴いてみると、全然別の曲のように聞こえた。テンポが速く、パーカッションを効かせた、たたみかけるようなリズムの曲で「リフレインが叫んでる」というタイトルがちょっと意味不明。印象が薄いのは、ちょっとわかりにくい構成のせいかもしれない。陽水版は、ほんとに別の曲かと思うほどイメージが違っている。テンポがもう少しゆったりとしている。この、少し遅いテンポが絶妙で、失われた昔の恋を追想する曲想にぴったり。かつての陽水の、伸びのある高音は少しかすれてはいるが、深みのある艶やかな大人の声で、失われた恋への後悔をしっとり歌いあげる。さらに、この曲は歌詞のせいか、男性が歌うほうが合っていると思う。映画「追憶」の主題歌になったバーブラ・ストライサンドの「The way we were」をちょっと思い出した。山崎まさよしの「One more time,One more chance」のセツナさも近いかな。誰にでも、後悔するような恋の一つや二つは経験あると思うが、この曲は、そんな心の奥の記憶を呼び覚ますような不思議な力がある。