iPad、第一印象

第一印象。違和感。
5月28、iPadが到着。かなりの違和感。この第一印象を記しておこう。3ヶ月も経てば、この違和感は消え、すっかり馴染んでいるはずだから…。
持ち方が決まらない。
大きなディスプレイをむき出しのまま持つ違和感。重量も思った以上に重いと感じる。この重さのせいで、ふだん持ち歩いて使う読書端末としての使用はほぼ断念せざるを得ない。ハードカバーのぶ厚めの本ぐらいか。持ち方がどうにも決まらない。しっかり持つにはスクリーン面に親指を置いてしっかりつかまないと不安だ。比較的幅広いベゼル(表示しない枠の部分)は、このように指をかけるためだと思われる。このような大きなディスプレイをむき出しのまま持ち歩いたりすることは、これまでなかったせいだろうか。「ワレモノ注意」の物体を持ち歩いているような不安感がつきまとう。専用のジャケットが必要だ。パーソナルに持ち歩くユーザーだったら、スクリーン面をしっかりと保護し、使う際は、持ちやすさを高めてくれるホールド感のよいものがいいだろう。形状はApple純正のiPad Caseがよさそうだ。個人的には枠の部分がもう少し幅広くて、ベゼル面を覆ってしまうほうがいいと思う。ジャケット探しでは、いろいろトライアル&エラーが必要になるだろう。iPhoneのジャケットでは、今のジャケットにたどり着くまで、10点近くを試している。

操作は、iPhoneよりこっちが標準みたいだ。
マルチタッチスクリーンによる操作は、iPhoneをもう2年以上使っているので違和感はない。むしろ使っていると画面が広いぶん、誤操作も少なく、こちらが標準かと思う。マルチタッチによる電脳空間内のコンテンツに直接手を触れて動かすような新しいインターフェイスの感覚は、iPhoneより強く感じるのは、動かすコンテンツが高精細な写真であったりするのと、iPhoneよりもサクサク動く気がするからか。iPhotoと同期し、写真を取り込んで見てみると、画質、インターフェイスとも快適そのもの。これでフォトフレームという商品ジャンルはなくなってしまうんじゃないだろうか。

メール、Webブラウジングは、何の問題もない。
文字の入力はオンスクリーンキーボードが十分大きいせいか、快適に入力できる。できればBluetoothのワイヤレスキーボードも試してみたい。

スクリーンが汚れる。
スクリーンを直接タッチするインターフェイスなので仕方がないのだが、使っているうちにスクリーンが指の油でどんどん汚れてくる。光線の当たり方によっては、かなりおぞましい光景になることもあり、打ち合わせなどではティッシュで拭いたりしながら使っている。だからといってタッチペンのようなデバイスをいまさら使う気は起こらない。指紋がつきにくくすることは難しいと思うが、目立たないようにすることはできるのではないだろうか。

電子書籍端末として可能性について。本は厳しい。
本の虫である自分にとって電子書籍を読む端末としてのiPadの可能性は、とても気になるところだが、上にも書いたように活字端末としては重量、サイズなどで、ちょっと難しい。iPadを横使いにして見開きの本を表示すると画面は文庫本よりも小さくなってしまう。でも重量はハリー・ポッター1冊ぶん。これでは紙の本には勝てない。本端末として持ち歩くなら、せめてキンドルぐらいの重さ(300g以下)にならないと、持ち歩く気にならない。iPadを見せた印刷会社の社長さんが「これは紙の敵ですな。しかし、まだ大丈夫。でも、これが折り曲げられるようになったらこわい。紙は終わるかも」とおっしゃった。
雑誌・図鑑・絵本・カタログに向いている?!
電子書籍の可能性としては、雑誌や図鑑、カタログのようなメディアがふさわしいと思う。高精細な写真やイラストがふんだんに入った書籍には有効だ。しかも静止画、文字だけでなく、動画やtwitterとかも組み込める。USAのAppStoreでダウンロードしたGAPのアプリ「GAP for iPad
http://www.youtube.com/watch?v=GJTvU2_5tC4&NR=1
は、一見、でっかいチラシ風。画面の中の写真を触ると商品情報や、コーディネートシミュレーター、動画、twitterなど、様々なコンテンツを表示する。iPadにおける電子出版は当初、進化した「雑誌や図鑑、カタログ」等で成功を収めるだろう。絵本の世界でも新しい表現の可能性が広がるはずだ。PhoneBookを手がけたチームに、ぜひiPadの本にもチャレンジしてほしいものだ。