文学

雑誌 考える人「村上春樹ロングインタビュー」

とてもよいインタビューだったので書いておこう。高原のホテルに2泊3日で滞在しながらのインタビュー。ボリュームがたっぷりで、読み終えるのにゆうに3時間はかかった。村上春樹自身が語る言葉をこんなに長く読んだのは初めての体験。彼の作品について、…

1Q84の読み方 その2 BOOK3を読んで。

1Q84 BOOK3をもう少し考えてみる。 村上春樹の作品は9割ぐらいは読んでいる。しかし、ファンというわけではない。どちらかというとトレンドウォッチングの一環という感じで、出る度に真っ先に買って読んできた。どこか翻訳小説を読んでいるような文体と、日…

村上春樹「1Q84 BOOK3」

サクサク読めた。とってもスムーズ。ちょっと肩すかしだな。というのが正直な感想。ほんとうは、新興宗教「さきがけ」のことをもっと描いてほしかったのだ。BOOK1、BOOK2以上に登場人物の数が少なくなり、基本は天吾、青豆、牛河の3名によって話が進んで…

小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」

理数系の頭を持っていない自分には、数学やチェスのようなゲームの世界に強い憧れがある。「フェルマーの最終定理」や「ポアンカレ予想」に取り組んだ数学者たちのドキュメンタリーを読んだりするのが好きなのは、そんな理由からだと思う。 「博士の愛した数…

高村薫「太陽を曳く馬」

2009年7月に購入して以来、いまだに読了できずにいる難攻不落小説。村上春樹の「1Q84」とセットで読むつもりで買ったのだが、文体との相性が悪いのか、なかなか読み進めないでいる。なぜ「1Q84」とセットかというと、どちらも新興宗教を題材としてお…

「1Q84」の読み方

「1Q84」の読み方 この小説で自分がいちばん注目しているのは「悪」の描き方だ。「悪」はどこからどうやって生まれてくるのか、それは、この小説の最も重要なテーマのひとつだと思っている。1995年、地下鉄サリン事件が起きた。村上春樹は、1997年、その被…