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「STAR WARS/ジェダイの覚醒」

時間を忘れて楽しんだ。しかし。

遅ればせながら「STAR WARSジェダイの覚醒」2D字幕版を鑑賞。2時間を超える長さを感じることなく、退屈せずに最後まで楽しめた。一緒に観た友人も「面白かった」という感想。ミレニアム・ファルコン号、ハン・ソロが登場してくると「待ってました」という感じで見ているほうのテンションが上がる。救援に来たX-Wing飛行隊の登場もかっこいい。レア姫の変貌にショックを受け、C3POR2D2との再会を喜んだ。映画は、宇宙の酒場や宇宙船の墓場など、エピソード4〜6へのオマージュに満ちている。シリーズの中でエピソード4〜6を愛する僕としては大いに満足した。J.J.エイブラムス監督は、よい仕事をした。SWの監督として合格だ。しかし…。

映画の興奮が冷めてくると、「ちょっと待てよ」と思い始める。

観終わった後、冷静になってくると、ちょっと待てよ、と思い始める。このストーリー、エピソード4に似すぎてないか?砂漠の惑星で、自らの出自を知らずに、廃品回収で暮らすジェダイの子供達、秘密を隠し持ったロボット、ダークサイドに堕ちたダースベイダーの後継者、惑星破壊兵器デススターをさらに強力にしたスターキラー…。BB8以外は、新しいロボットも、新しいメカもで出てこない。帝国軍は、あいかわらず宇宙戦艦と、タイファイター、ストームトルーパーだし、対抗する反乱軍もX-Wingだ。もちろん戦闘シーンのVFXの精度は格段に向上しているが、最近のCGに慣れた目には、もうあまりインパクトがない。舞台となる惑星も、砂漠、森、湖、海など、現在の地球のようで、鮮度が無い。そんな風にあげつらっていくと、キリがないのでやめよう。

これはSWコミュニティのためのSWなのだ。

要するに、これはJ.J.エイブラムス監督がSWコミュニティーに受け入れられるために作り上げた作品なのだ。ここでまったく新しいストーリーやアイデアを見せるよりは、「僕はSWをこんなに愛している。ほら、エピソード4の懐かしいアイテムや人物やキャラクターを、ちゃんと理解しているだろう」と主張したかったかのようだ。その意味では、この作品は「合格」と言えるだろう。問題は、次の作品。2017年に公開されるという次回作では、新しいアイデア、新しいメカ、新しいストーリーが問われると思う。期待して待ってます。

SFとしての「STAR WARS

SFとして考えるとSTAR WARSは、いわゆる「スペースオペラ」という、ハードSFファンからはかなりレベルが低くみられるカテゴリーに入る。「帝国」「共和国」「反乱軍」「皇帝」「姫」「騎士」といういわば「中世の世界」に「フォース」という魔法の力をめぐって「光」と「暗黒」が戦う。いわば中世と魔法の物語を、宇宙を舞台にして描いただけの物語である。「宇宙英雄ペリー・ローダン」「銀河パトロール隊レンズマン」「火星のプリンセス」などがある。僕は小学生の高学年になってSFを読み始めたが、それを知った近所の塾の先生が貸してくれたのが、「火星のプリンセス」シリーズだった。生意気にもクラークやアジモフなどのハードSFにのめり込んでいた僕は、1、2冊読んで「こんなもん、SFじゃない」と突っ返したことを覚えている。おとなげないことをしたと思う。だから1977年に公開された最初のSTAR WARSも、けっこうタカをくくっていた。しかし、映画の冒頭、帝国のデストロイヤーが、共和国の宇宙船を追って、スクリーンを延々と通り過ぎていくシーンで、僕は完全にノックアウトされた。ロボットやメカの造形にもすっかり魅了されてしまった。ストーリーなんかどうでもよくなった。その世界観にはまってしまったのである。エピソード4は、劇場で数回観たと思う。自分が観たいこともあったが、「こんな凄い映画があるよ」ということを人に教えてあげたくて、誘ったのである。その中に母もいた。彼女が映画を観てどう感じたか、聞いたと思うが、今ではもう覚えていない。それ以来、ずっと劇場で鑑賞している。新しいシリーズがはじまったことを喜んでいる。製作陣からルーカスがいなくなったことは残念だが、J.J.エイブラムスをはじめ、新しいスタッフたちは、彼の意志を受け継いでくれるだろう。