第8回宝塚ハーフマラソン完走記


風邪をひいた。
今年で8回目となる宝塚ハーフマラソン。第1回から風邪で棄権した1回を除き、ずっと参加している。毎年、23日の天皇誕生日に開催されるが、今年は振替休日で24日の月曜日に開催で、三連休の最終日でクリスマスイブの開催。週の半ばから鼻水がひどくなり、木曜日にはのどの痛みも出て来た。すぐに葛根湯を飲み始めたが、金曜日になっても症状は改善せず、鼻水、のどの痛みに加え、関節の痛みまで出て来た。土曜日は、朝から医者に行って診断を受ける。幸いインフルエンザではないらしい。医者に「月曜日にマラソン走れますかね?」と尋ねると「自分で判断しなさい」と素っ気ない。家に帰ってすぐ寝る。昼ご飯、夕飯以外はずっと寝て過ごす。翌日の日曜日、まだ関節の痛みが取れないが、鼻とのどはかなり改善している。全国高校駅伝をソファで毛布にくるまって観る。夕方、関節の痛みが収まってきたので少し走ってみることにする。3kmほど走ると関節がだるくなり、そのまま走り続けると痛みに変わりそうな気がしてランを中止する。明日は完走できるだろうか…。予定では水か木に帰宅ランをこなし、土曜日に軽く10km、日曜日に5kmを走って、本番に備える予定だったのが、仕事が忙しくて帰宅ランもできず、前々日、前日の練習もできず、かなり不本意な体調で本番を迎えた。
この冬一番の寒波到来。気温0度。
当日の朝、6時45分に目を覚ますと、関節の痛みは収まっている。鼻もノドも何とか大丈夫だ。スマホで宝塚の現在気温を見ると0度。最高気温も5度ぐらいまでしか上がらないらしい。さらに風が強くなれば、かなり辛いランになるのは間違いない。昨年は折り返してからの強い向かい風に苦しめられたが、今年は、それに寒さが加わるかもしれない。暖かくして走ろう。朝食を食べた後、風邪薬を飲もうとしたら、家人が「今日は薬を飲まないほうがいいんじゃない?」と言う。確かに一昨日から薬を飲むと副作用かトイレが近くなるのだ。走る前に風邪薬は飲まないことにする。8時ごろランナーの受付に行く。自宅から歩いて5分あまりの花の道駐車場が受付とスタートの会場だ。受付を済ませて、家に帰り用意を始める。
今年の装備。青。
トップは6年以上着ているワコールのCWXの防寒仕様のジッパー付き長袖シャツ。この上に大阪マラソン用に買ったナイキの水色のTシャツを重ね着。このTシャツは防寒には役に立たず、応援してくれる家人や友人が見つけやすいように着る。アンダーパンツは着慣れたワコールCWX。ミズノの防寒用タイツを履き、ナイキのグレーのハーフパンツを重ね着する。シューズは大阪マラソンと同じミズノのイダテン。アディダスのバイザー、手袋は、コンビニで買ったスマホ対応のニット手袋。ウエストポーチにはいつもより多めのポケットティッシュ、ジェルのエネルギーサプリ、防寒用のビニールポンチョ、現金3000円など。iPhoneのホルダーをウエストポーチのベルトに固定。時計はいつも通りGARMINセイコー。9時25分に家を出た。上記のランニングスタイルにウオームアップ用のジャージ上下を着て、スタート会場に向かう。天気は快晴で、気温はかなり上がっているのではないか。会場に着いて、手荷物預かりに行き、ジャージ上下を脱いでリュックに入れ、手荷物袋に入れる。防寒用のビニールポンチョを持っていくかどうか迷った末、使わないことにする。手荷物を預けたのが9時40分。しばらくするとランナー集合のアナウンスが流れてくる。スタート30分前だ。
スタート。

ゼッケンは2303とかなり後ろのほう。中川宝塚市長による挨拶や、タカラジェンヌの応援は、ほとんど聞こえてこない。ビニールポンチョを着ているランナーが多い。やはり着るほうが正解だったかと、ちょっと後悔する。後ろのランナーが「そんなビニールで効果があるんですか?」と話している。効果は絶大なのである。ほどなく5分前のカウントダウンのアナウンスが聞こえてくる。時折、冷たい風が吹き抜けて、ランナーたちを震えさせる。となりの女性ランナー二人が「ここで、この風だと川原に出たら、もっと強くなるんでしょうね。」「去年は折り返してから強い向かい風が凄かった。」「今年は、去年以上かも」などと話している。冬場の武庫川は、北西の風がよく吹くので、北西から南東に流れる武庫川は下りが追い風、上りが向かい風になることが多い。今回は、この風がこの冬一番の寒波と重なってランナーを苦しめるかもしれない。早くもビニールポンチョを持って来なかったことを後悔しはじめた。ほどなく1分前のカウントダウンが始まり、iPhoneのナイキランニングとセイコーの時計を準備する。そしてスタート。ネットタイムを測るガーミンをスタートさせる。去年と同じく中川市長が調子外れの声で歌っている。列は少しずつ動き出し、歩き始める。スタートラインを越える頃にはランのスピードになっている。手塚治虫記念館の前を右折すると、宝塚大橋。橋を渡り終えるあたりに家人と友人がいる。立ち止まって写真を撮ってもらう。宝塚南口の交差点を左折して住宅街の中を抜けていく。集団が密集していて、前にも後にも行けない。流れに乗っていくしかない。1Km地点を通過。8分以上かかっている。逆瀬川を渡って、右岸の道路に入る。道が急に狭まり、速度がジョギングか歩きのペースまで落ちる。武庫川の河川敷に出るまで、ゆっくりとしたペースが続く。ゴール地点でもある末広公園手前から河川敷に出ると、道がいっきに広くなって速度があがる。宝塚新大橋を越えたあたりで2km通過。先ほどのスローペースのせいで7分ジャストと遅い。次の3km地点を通過してGARMINを見ると表示が3Kmのまま止まっている。フリーズしてしまった。ボタンを色々押しても直らない。諦めて、セイコーと1Km毎の距離表示を頼りに走り続ける。こうなると1Km単位のラップがわかりにくいので5Km毎のタイムでペースを維持することにする。
マイ・ペースメーカー。
いつものようにマイ・ペースメーカーを探す。ピンクのトップ、タイツとハーフパンツ、アシックスのシューズ、キャップにポニーテイルの髪型のスリムな女性。フォームはストライドが長く、ゆったりしたペース。ピッチは違うがペースが先ほどから自分とほぼ同じなので、彼女にペースメーカーになってもらう。4Km手前で最初の給水ポイント。ペースメーカー嬢は水に見向きもせずに走り去ってしまう。仕方なく、自分も給水なしで走り続ける。5Km通過は32分少々。スタート直後のロスを考えると、1Km6分少しのペース。心配したほど寒くなく、風も大したことはなく、西風が時折吹くぐらい。10km手前でペースメーカー嬢のペースが少し落ちてきたようで、追い抜いてしまう。10Km通過は1時間3分余り。ここまではイーブンペースで来ている。第2給水ポイントが近づいてきた。一番奥のテーブルで水を取り、立ち止まってゆっくり水を飲む。今年はスポーツドリンクは無く、水のみの補給である。国道2号線をくぐり、武庫川橋を越えてすぐに折り返す。11.6km。昨年は、折り返した途端、強い向かい風でペースダウンを余儀なくされたが、今年は大丈夫だ。折り返して50mほど走ったところでマイ・ペースメーカーとすれ違った。ジェルのサプリを摂取する。この辺りから足が少し重いと感じ始めた。ダメージが来るのが早すぎないか?第3給水ポイントで立ち止まって水を補給する。走り出そうとするとペースメーカーが追い抜いて行く。あわてて後を追いかける。どこまでついて行けるだろうか?後でNike Runningの記録を見ると折り返した直後に1km6分30秒台にペースが落ち、その後少し上がって6分10〜20秒台が続く。またペースメーカー嬢のペースが下がったようで、追い越してしまう。少し先に大阪スポーツクラブという名前が入ったTシャツの中高年ランナーが自分と同じようなペースで走っている。そのすぐ後ろにも同じぐらいの中高年ランナーが同じようなペースで走っている。2人とも軽快なピッチ走法で、自分の走り方に近い。「この2人」を新しいペースメーカーに決めて、走り続ける。次の5kmは31分30秒。足がさらに重くなり、2人についていくのが難しくなる。しばらくすると、最初のペースメーカーが追いついてきたので、彼女にペースを合わせようとするが、足が重く、ついて行くのが辛い。何とかついて行こうとペースアップすると、今度はワキ腹が痛くなってきた。新幹線の高架橋をくぐって17km。
ゴール。
仁川を渡って18km。最後の給水ポイントはパスして先を急ぐ。この辺りに来て、向かい風が強くなってきた。先のほうにいたペースメーカー嬢のスピードが急に落ちた。彼女のようなストライド走法では、この風は辛いはずだ。前傾を強め、歩幅を小さくし、ピッチを速めてペースを維持する。残り2Km。ペースメーカー嬢を追い抜いたら、あとはゴールまで突っ走るだけ。最後の1Kmで20〜30人は抜いた。宝塚新大橋をくぐるとあと200mほど。家人と友人を探す。いた。ゴール手前50m付近の左側に大柄の友人を発見。手を振って、速度をゆるめて通過する。ゴール!すぐに完走証を発行してもらう列に並ぶ。タイムは2時間17分03秒(ネットタイム2時間14分33秒。1336位。手荷物を受け取って、さっと着替えて家人たちと合流。その足で近くのレストラン「神戸屋」に行くが、昼過ぎ&クリスマスイブで30分待ち。友人の提案で、神戸屋でパンやサンドイッチ、グラタン、ソーセージ等を購入して自宅でお昼を食べることに。コースではファミリー3Kmが走り出していた。親子で走るランナーも多い。マラソンというよりピクニックっぽい雰囲気。家に帰って、友人の撮ってくれた写真見たりしながら遅いランチを食べた。友人が帰った後は、風呂にゆったり入ったあとは、いつものように居間のソファで毛布にくるまって昼寝。「2日間寝てばっかりだったのに、昼間からよく眠れるもんね。あきれる」と家人。目が覚めたら、窓の外はすっかり暗くなっていた。夜は、チキンやローストビーフにワインで、ちょっとだけクリスマスな夕食。

総括。
タイム的には見るべき点なし。2時間以内は無理にしても、せめて2時間10分は切りたかった。ネットタイムで見ると1Km平均が6分24秒。風邪を引かなければ、もう少しよいタイムになっただろうか?これで今年のランニングイベントは終了。あとは2月の東京マラソンだ。