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神戸マラソン 完走記

ランニング マラソン


3週間
自分にとって、神戸マラソンの一番大きなポイントは、大阪マラソンの3週間後に開催されるということ。一般にフルマラソンを走った後は1カ月間は休息をとったほうがいいと言われる。最低でも2週間はトレーニングを行わず、食事と睡眠をたっぷり取るのがいいらしい。しかし大阪マラソンのタイムが不本意だっただけに、少しでも練習をして記録を伸ばしたいところ。大阪マラソンから1週間経った土曜日、練習を再会することにした。すでに各部の筋肉痛は消えていた。しかし走り始めると、すぐに右膝の外側とふくらはぎに違和感を覚える。腰のあたりにも重苦しい感じがあって、ペースを上げられない。フルを走ったダメージは予想以上に大きいのだろうと判断し。早々にランを切り上げた。もう1週間我慢し、1週間前の土曜日に10Km、日曜日に6kmを走った。結局、神戸は大阪と同じコンディションでのぞむことになった。
前日、雨
事前の天気予報では、前日が「雨」、当日は「曇りときどき雨」。前日はかなり激しい雨になった。高校の同窓会に出かける妻を駅までクルマで送り、電車に乗って神戸マラソンの受付に出かける。雨は激しくなっている。時折強い風が吹いてくる。ポートライナーの窓から見える神戸港は、波立っている。市民広場駅を降りると、雨は若干弱まってきたが、風はますます強くなり、傘をさすのが難しいほど。ワールド記念ホールがランナー受付会場になっている。ここに来るのは二十数年ぶり。受付を済ませた後は、マラソンEXPOに立ち寄る。大阪マラソンに比べて、規模が小さいかな。出展ブースをひと通り見て、帰路に着く。ポートライナー市民広場駅の改札を入ると、ホームに人が溢れている。放送によると、車両内の非常ボタンを誰かが押したため、緊急停止し、現在係が安全確認中だという。ホームで10分ほど待たされ、乗り込んだ車両でも十数分停止した状態が続いた。明日、同じことが起きたら、交通は大混乱するなあ、と心配になる。ようやく三宮に着いてから、昼食のあと、明日、完走後、利用する予定の「神戸クアハウス」の場所を確認。宝塚に帰ってくると、激しかった雨が煙るような小雨になっている。着替えて、いつもの河川敷コースを4Kmほど軽く走る。夕食は鍋だったが、何がいけなかったのか、夫婦ともお腹を壊してしまった。明日までに直ればいいのだけど…。

当日。
5時起床。雨は上がった。快晴で風が強い。気温は10℃を超えている。6時30分過ぎに出発。阪急で三宮に向う。三宮駅の西口で改札を出る。駅のトイレはすでに行列。スタート会場に向う途中にある三宮センタービルのトイレを借りる。スタートは市庁舎前のフラワーロード。手荷物預かり等は「東遊園地公園」。歩いて5分ほど。ターミナル駅から遠くないのがよい。家から走るウエアに着替えてきたので、ジャケットとカーゴパンツを脱いで手荷物を預ける。スタートまで、まだ1時間以上ある。広場に陽が差してきて、暖かくなってくる。もう15℃を越えているだろう。ボランティアのスタッフにiPhoneで写真を撮ってもらい、facebookに投稿する。念のため、もう一度トイレへ。

装備。
例によって装備を記しておこう。気温が比較的高くなったので、基本は夏のウエアとする。靴は3回のフルを走ったミズノのオーダー。ソールのかかとの外側が減っている。今回が限界だろう。ナイキの靴下。パンツは大阪と同じグレーの膝丈。下着はワコールCWX。アッパーはオレンジのナイキDRY FITの半袖。ナイキのバイザー、CWXのウエストポーチに、千円札3枚と小銭、バンドエイド、ハンディティッシュ、ジェルのサプリが2パック、LUMIXのタフデジカメ、iPhone、時計はGARMIN FR405とセイコーのPROSPEX スーパーランナーズEX。パンツのポケットにミニタオルを収納。ゼッケンは通常のゼッケンの他にチャリティ用のゼッケンを背中に装着。計測用のICチップはゼッケンに付属している。

スタート
8時40分ぐらいからセレモニーが始まる。大阪の時と違い、アナウンスや音楽はしっかり聞こえる。被災地の中学の合唱部、吹奏楽部の演奏、そして黙祷。市長もクオーターを走るらしい。そしてカウントダウン。ピストルの音もちゃんと聞こえた。今回はiPhoneをグロスタイム用に使用。号砲からスタートラインを踏むまで約4分ほどかかった。スタートラインから先は、もう走り出している。フラワーロードの北に少し走って、すぐ左折。西へ向う。大丸前の交差点を左折し、南京町の入口をかすめて南へ。祭で登場する龍が踊っている。すぐさま右折して西へ向う。ここからひたすら西へ向って走るのだ。元町通りの南の栄町通りを走る。JR神戸駅に近づいて、中央郵便局の前で90度右折。その直後に左折し、再び西へ。JRの北側をしばらく走る、新開地、大開と懐かしい地名が続くが、街並に見覚えがない。ゆるやかに右へカーブしていく国道から、脇道に入る。この先は最初のハイライトともいえる新長田駅前の鉄人28号のそばを通る。国道から外れると道が狭くなり、集団が密になって走りにくい。狭い上に新長田駅の手前で90度左折し、すぐ右折が続く。いわばクランクである。クランクを抜けて新長田駅前の広場前に出る。『鉄人』はどこだ?首を90度左にねじ曲げると、応援の人垣の向こうに鉄人がいた。しかも、向こうを向いている。これはちょっと残念。ランナーの中には鉄人を見過ごした人も多かったのではないか。デジカメを左に向けてシャッターを押す。下の写真のような感じである。須磨で国道2号線に出るまで、JRの南側の、あまり広くない、緩やかにカーブする道を走る。しかも路面の状態が細かく変化し、走り辛い。「転倒注意」の立て札を持ったスタッフがあちこちに立っている。隣のランナーと接触しそうで緊張を強いられる。コース案内では触れられていないが、けっこう坂が多い。この区間のコース設定には疑問を感じる。できるだけ主要幹線である2号線の通行止め区間を短くするためだろうか。阪神大震災で被害の大きかった地域で、その復興ぶりを見せたかったのだろうか?


海、海、海。
須磨駅の手前で、ようや国道2号線に出る。コースが広くなり、視界も広がって開放感を感じる。そして海。2号線を走っていくのだが、なかなか海が見えて来ない。海はすぐそばのはずだが住宅やビルに遮られて見えない。ようやく見えてきたのは、クオーターマラソンのフィニッシュ場所である須磨浦公園にさしかかってから。待ちに待った海。特に須磨浦公園を過ぎて、山が海に迫る辺りは、視界の半分が海という、コースで最も景色のよい場所だ。遮るビルなどがなくなり、向かい風をまともに受けるが、ここはまだ元気なので、つらくはない。ボランティアのスタッフが、「海から漁船が大漁旗で応援してます」と叫ぶ。海上を見ると、確かに漁船が、大漁旗と神戸マラソンの旗らしきものを掲げて数十メートル先の海面に高い波に煽られながら、留まっている。しかし、この距離では応援してくれている人の姿は確認できず、声も届かない。漁船に向けて大きく手を振ってみる。もう少し岸に近づくか、スピーカーで音楽でも流すかしないと、気づかないランナーも多かったと思う。

気温は20度近くに上がっていると思われた。かなり暑い。ここで、もう先頭のランナーとすれ違う。長身で弾むようなフォームのランナーだ。顔がよく見えず外国人の招待選手かな、と思ったりした。海沿いの道も平坦ではなく。けっこうなアップダウンがある。折り返し地点の手前で、対向車線のほうに給食ポイントが見えてきた。神戸スイーツとかあるらしい。期待しよう。塩屋、垂水を過ぎ、前方にようやく折り返し地点の明石大橋が見えてくる。しかしなかなか近づいてこない。ようやく舞子。地元の明石に近いので、誰か応援に来ていないか、と探したりしてみるが、見つからず断念。実は、この時、高校の友人が応援に来てくれていたのだが、会うことができなかった。

神戸スイーツ、売り切れ。
折り返し地点が17.7kmなので、まだまだ先は長い。折り返してからの楽しみは給食ポイント。しかし、22km過ぎの給食ポイントにたどり着いた時は、いっぱいあったはずのスイーツはほとんど売り切れ。バナナを一切れ補給したのみ。ここまでは1Km6分30前後をキープ。塩屋から須磨浦公園にかけての辺り海側を走るので、応援の漁船に少し近づけるかと思ったが、すでに姿を消していた。強風の中で、海岸近くに留まるのは困難なのかもしれない。須磨に戻ってきて須磨海浜水族園の前を過ぎると、国道2号線を離れ、より海に近いエリアを通る道路を走る。海に近いといっても海はほとんど見えず、工場や倉庫が多いエリアを走り続ける。事前の印象では、25kmから35kmのこのエリアが、いちばん辛い区間ではないかと予想していた。道はゆったりしているが単調な風景が続くのだ。しかも25kmを過ぎたあたりから、膝の外側に違和感を感じはじめた。
「足が痛いのは、気のせいだ」
沿道の応援の中に「足が痛いのは、気のせいだ」というカードを掲げている市民を見つけた。そうか、気のせいか。このようなユーモアのある、しかもランナーのツボを抑えた応援は、とてもありがたい。気が紛れるのだ。思わず「ありがとう」と叫んだ。30km。まだ痛くはないが、明らかに足が重くなってきている。32km。あと10km。いつものように練習で走る武庫川の河川敷を思い浮かべる。1kmが武庫川大橋の上。2kmがチボリのゴルフ場の前、3kmが変電所のあたり…。35kmまでを6分30秒ペースで走るという計画は、この時点で雲行きが怪しくなってきた。工場、倉庫、住宅地が混在した、見慣れない、単調な風景の中を走る。橋にさしかかる度に、アップダウンがあって、けっこうきつい。和田岬と呼ばれる町。子供の頃、この近くの造船所に父が勤めていて、船の進水式を見学に来たことがある。ホームスタジアム神戸、神戸中央卸売市場の前を通過した。偶然、翌日、仕事で、この街を訪れ、神戸中央卸売市場とホームスタジアム神戸を取材することになった。数十年ぶりに、2日続けて同じ場所を訪れるとは、不思議な縁である。工場街を抜けて、ハーバーランドへ。ここまで来ると神戸市街に戻ってきた感じがする。

最大の難関。

35km過ぎ。最後の難関と言われる浜手バイパス。ここまでは、足を止めるのは給水ポイントだけと決めていたが、たまらず歩いてしまう。坂は1度登ってフラットになり、さらにまた登る。多くの人が歩いている。自動車専用道路なので市民の応援がなく、ボランティアのスタッフからの応援を受けながらなんとか登りきる。右前方にポートアイランドが見えてくる。ゴールの場所が見えるだけでも希望がわいてくる。「わが足よ、あれがゴールだ」と気持ちを奮い立たせる。ポートアイランドへ渡る橋の上にさしかかる。iPhoneを見ると妻からSMSで「ちゃんと走ってる?」というメッセージ。返事するのもめんどうなので、橋の写真を撮って送る。橋の上に最後の給水/給食ポイントがある。ここで立ち止まってスポーツドリンクを飲み、対岸のハーバーランドあたりの写真を撮って、最後のランへ。

ポーアイ

橋を渡りきって、ポートアイランドに入った地点で、残りがまだ3Km以上ある。ゴール前には、妻と友人が待ってくれているはずだ。道はすぐに右折するが、向こうから先を往くランナーたちが戻ってきて左のほうに曲がっていく。もう一度右折して、しばらく走ると、左手に海岸が見える。左に曲がって海岸に出る。海面がまぶしいほど光っている。ここがゴール前のいちばんのハイライトかもしれない。海を見ながら南へ向う。何度か方向を変えられるのがつらい。ポートアイランドに入ってからが、とても長く感じた。そして最後のカーブを曲がると、両側に応援の人垣が続く直線。たくさんの人にハイタッチをしながら、知っている顔を探す。いた!妻と友人にハイタッチをしゴールへ向う。ゴールラインを越える瞬間、右足が痙攣した。つまづくような姿勢でフィニッシュ。タオル、スポーツドリンク、完走メダルを受け取り、手荷物受け取りコーナーへ向う。けっこうな距離を歩かされる。しかし、あちこちでボランティアスタッフに「おつかれさま」という声をかけられる。手荷物を受け取って、2階の更衣コーナーに行こうとするが、エスカレーターに長い行列ができていて、断念。手荷物受け取りコーナーのそばで着替えを済ませる。足がこわばって、着替えるのに時間がかかる。妻から電話がかかってきて、待ち合わせ場所を決める。市民広場駅前で待ち合わせ、ポートライナーの駅に上がる。改札前は長蛇の列で、列の最後尾が、改札よりはるか南のほうにある。しかたなく流れのままにぞろぞろと歩きはじめる。列は長いが、確実に進んでいくので、十数分後に乗車することができた。三宮駅に着いて、妻・友人といったん別れ、駅の北にある「神戸クアハウス」に向う。駅に近いのと、神戸マラソンのゼッケンを見せれば1000円の利用料が500円になる特典につられてか、満員で30分待ち。整理券を受け取ってロビーで30分待たされる。ようやく順番が来て、浴場で体を洗い、温泉に入る。ここの名物である重曹泉の湯に入って、飛び上がった。股間のところが下着に擦れて擦り傷ができていて、そこにお湯がしみて痛みが走ったのだ。思い直して、別の湯に入り、足をもみほぐすこと15分、ようやくリラックスできた。ロッカールームのあるフロアに行くのに、階段を降りないといけないが、ランナーたちは足取りがぎごちない。着替えて、ロビーでフルーツ牛乳を飲み、待ち合わせた阪急三宮駅東改札へ。妻・友人と待ち合わせ、阪急電車西宮北口に移動。駅の北側にできたバール「ガストロミーア エ バール ジュリエッタ:オステリア ジュリアの姉妹店」で打ち上げ。ビールで始めて、ワインを3杯。友人は、もう一軒行きたそうだったが、翌日の朝から神戸での仕事があったので、切り上げ、帰宅。もう一度風呂に入って、10時には就寝。
総括。
今回もタイム的には収穫なし。30km過ぎから失速したのは大阪マラソンとほぼ同じだが、前半のペースを抑えたせいか、少しだけ楽だった。神戸のコースは悪くなかったと思う。よかった理由は「海、海、海」。特に須磨〜舞子の、海を見ながら走る区間は、最高のロケーションだ。さらに終盤の浜手バイパスからポートアイランドへ渡る区間、最後のポーアイしおさい公園の眺めなど、海の眺めをたっぷり盛り込んだコースはとても楽しかった。一方いまいちだったのは、前半の神戸〜鷹取までの裏道と呼んでもよいようなコース。道が狭く、しかも何度も直角に曲がるコース設定には緊張を強いられた。鉄人28号も、どうせなら正面に見えるようなコース取りはできなかったのだろうか?須磨〜垂水海岸における漁船の応援はよい企画だが、もっと海岸に近づくなり、音楽を鳴らすなりで、アピールできなかったのだろうか。またポートアイランドに入ってから、距離合わせのためか、ぐるぐる走らされたのが辛かった。初めてにも関わらず、運営はとてもスムーズで、快適だった。とても献身的なボランティアのスタッフの皆さん、沿道を切れ目なく埋めつくしてくれた応援の人々も感じがよかった。来年も、抽選に当たればぜひ走りたい。
テレビ放送
大会当日は、地元のサンテレビで午前と午後に生放送。録画したものを後日視聴した。初めてのマラソンの生中継で、慣れてないせいもあると思うが、もう少しがんばって欲しかった。特に午前中の放送。先頭集団を捉えた映像が、最近のYouTubeでもこんなに悪くないぞ、と思えるような画質。しかもランナーを数十メートル離れて位置から撮影しているので、選手の顔がほとんど判別できない。午後の放送も演出、司会、進行が退屈で、途中で見るのを止めてしまった。次回からは、もう少しがんばってほしいと思った。
京都落選。篠山締め切り。
11月25日、1カ月遅れていた京都マラソンの抽選結果がメールで来た。結果は落選。これからさらに走りこんで自己ベストを狙おうと思っていたのに残念。京都が落選した場合に、申し込もうと思っていた篠山マラソンも定員に達したため募集終了。この2つの大会に代わるマラソンを探したところ、岡山の「2012そうじゃ吉備マラソン」がよさそうだったので、昨日申し込んだ。来月23日は宝塚のハーフ。早春の吉備路に向けて練習は続く。