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この3週間ほど原発の本ばかり読んでいる。


震災からちょうど1週間たった日のこと。東京で会社を経営する知人が事務所を訪ねてきた。彼は、震災の翌日から、社員十数人と家族を連れて、大阪に避難してきているという。ホテルに宿泊し、仮のオフィスを借りて、そこで1週間仕事をしていたという。明日は東京に帰るという日だった。彼は仕事柄、行政とのつながりが深く、そちらのほうの知り合いの何人かから、「原発が大変なことになっている。悪いことは言わないから、東京を離れたほうがいい」という助言を聞かされた。外資系を中心に、起業のトップも大勢、関西に避難しているという。それで彼は決心し、社員を連れて関西に移動したという。その時は、何と大げさに反応するのだろうと感じ、さらに自分たちだけが助かろうという姿勢にも少し反感を覚えた。しかし後になって明らかになった原発の状況から考えると、彼の行動は間違っていなかったのである。震災翌日、早い段階でメルトダウンが起こり、水素爆発で大量の放射性物質がばらまかれていたのだ。しかも、さらに破局的な状況に陥る可能性もあったのだ。もしも自分が彼の立場に置かれたら、きっと同じ行動を取っただろうと思う。あの時、ある種のルートには、テレビや新聞が伝える情報とはまったく違う情報が流れていたのだと思う。外国人が大げさに反応したように見えたのは、実は異なる情報によって行動していたからだと今ならわかる。最初にヘンだなと思ったのは、最初の水素爆発の映像だ。爆発の瞬間の映像を民放では流していたのに、NHKはいつまで経っても、その映像を流さなかった。現場の作業員たちが「爆発音のような音を聞いた」としか報道しなかった。政府も、東電も、学者たちも、メディアも、事実を伝えていないと感じ始めたのはその時からだ。「何を甘いこと言ってんだ。報道なんてコントロールされてるに決まってんだろう」と友人は語る。もちろん電力会社は、放送局にとって大口のクライアントだから、それなりの配慮がされるというのはありうる。しかし、なぜ、NHKまでが、そのような情報の自主規制をしたのだろう。日が経つにつれ、流れてくる情報への不信感は大きくなっていくばかり。信頼できる情報が欲しかった。ネットその他で、色々調べているうちに辿りついたのが、これから紹介する人……本。どこの書店でもにわかに「原発コーナー」が作られ、過激なタイトルに敬遠していたが、読まないことには始まらないと思った。1冊ずつ紹介していきたい。
小出裕章原発のウソ」
武田邦彦原発大崩壊」
広瀬隆福島原発メルトダウン
佐野眞一津波原発
内田樹中沢新一平川克美「大津波原発
吉村昭三陸海岸津波
開沼博『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか
赤坂憲雄小熊英二、山内明美『「東北」再生』