第6回宝塚ハーフマラソン


マラソンを始めるきっかけとなった大会。第一回から参加している「超・ご近所マラソン」。スタートは、自宅から徒歩5分の「花のみち」の宝塚大劇場の前。町を2キロほど走った後、武庫川の河川敷に出て、ずっと河原のジョギングコースを走る。「武庫川マラソン」といってもいいようなコース。自分にとっては自宅から歩いて参加できる「近さ」が特色。コースも普段の練習コースであり、リラックスして走れる。一緒に申し込んでいた家人は、半年前から痛めていた足の故障が治らず、今回は棄権。今年は、色々あって走り込み不足で当日を迎えた。しかも前日は忘年会。お酒は控えたものの、帰宅してベッドに入ったのは午前1時過ぎ。起床は、7時ジャスト。早起きしなくて済むのは、ご近所マラソンならでは。
12月23日(木:天皇誕生日)。天気は晴れ。気温は高め。走っているとかなり暑く感じられそうだ。今シーズン、ハーフの距離を走ったのは、3日前の1回だけ。例年になく練習不足で不安である。一応装備を記録しておこう。ウエアはCWXの防寒仕様の長袖シャツ。ミズノの防寒タイツに、ハーフパンツを重ねる。シューズは、前回の篠山用に作ったミズノのオーダーシューズ。モンベルのインナー用マイクロフリース手袋。アディダスのバイザー。CWXのウエストバッグにアミノバイタルのゼリーを一個。GPSはガーミンのFR205。さらにiPhoneNike+GPSを立ち上げて走る。スタートはかなり後ろのほう。昨年は、前半を回りにつられて飛ばしすぎて、後半ががっくり落ちたので、今年は控えめに行く。iPhoneのほうは号砲でスタートさせる。ガーミンはスタートライン通過時にスタート。手袋をしたままだとiPhoneのタッチパネルが反応せず、いちいち外すのがめんどうだ。スタート直後、道は右に大きく曲がり宝塚大橋を渡る。その手前、左側に家人がカメラを構えて待っているはずだ。家人の前を通り過ぎるが、一瞬で、どうも撮影できなかったようで、走って追いかけてきた。橋の真ん中あたりで追いつき、シャッターを切った模様。橋を渡りきり、左折して、逆瀬川に向かう。アトム、サファイア王子、サンタの仮装ランナーが、子どもたちの相手をしながらのんびり走っている。もうすぐ1キロだなとガーミンを見ると動いていない。スタートボタンを押したつもりが、押してなかったのだ。あわててスタートボタンを押すが、すでに5〜600mを走っている。逆瀬川を渡り、右岸の狭い道を下る。ほどなく、末広公園のそばから武庫川の河川敷に降りる。道幅が広がり、ペースが上がる。ペースが控えめのせいか。どんどん置いて行かれる。昨年は、ここでなんとか従いて行こうとして失敗したので、今年は抜かれるままに任せてペースを探る。
自分の場合、ペースをつかむのは、ちょうどよいランナーを見つけて、勝手にペースメーカーに仕立てて、従いて行くことである。ペースメーカーは、リズムが大体同じことも重要だ。自分にぴったり合うペースのランナーは、なぜか女性が多いようなのである。姿勢がよくて、軽快な走りで、リズムが一定の、スピードが近いランナーを見つけて、従いていく。キロ6分8秒〜12秒のペースを刻んでいくが、ちょっと速い気がする。最初の給水所で、水を取ったタイミングでペースメーカーを追い越してしまった。ペースをゆるめ、彼女が追いついてくるのを待ったが、やって来ない。その内にクオーターの折り返し点を過ぎても、追いついてこない。彼女はクオーターのランナーだったようだ。しかたなく別のペースメーカーを探す。コースの大半が武庫川の河川敷を走るこの大会では、河にかかった橋が、距離の目安になる。上流から宝塚新大橋、武庫川新橋、新幹線、甲武橋(171号線)、阪急、上武庫橋、名神、山手大橋、JR、武庫川大橋(2号線)、武庫川橋…。ふだんの練習の時は「新幹線まで走ろう」とか、「名神あたりで辛くなってきた。今日は、2号線で引き返そう」という感じで走っている。11キロを過ぎて、折り返す。ここでご褒美にアミノバイタルのゼリーを摂取。ペースメーカーに選んだランナーが、いつの間にかペースを落とし、6分40秒台まで下がっている。追い抜いていくランナーの中から新しいペースメーカーを探して従いていく。15キロを過ぎた地点で、かなり苦しくなってきた。ほんの少しだけペースを落として、回復を待つ。ペースメーカーとあまり離れないうちにペースを上げて追いかける。しかし、最初の頃のペースに戻すのは難しく、6分30秒台をキープするのがやっとだ。ペースメーカーも疲れてきたらしく、楽に従いて行ける。
小さな大会なので、応援はボランティアのスタッフからがほとんど。それでも元気が出る。これは篠山マラソンで経験したのだが、沿道の応援にちゃんと応えると、本当に元気が出るということ。ほんの少しだが、ペースが上がり、元気が回復する。その元気がしばらく続く。マラソンなどで選手たちが、「声援のおかげで優勝できた」みたいなことを言うのは、観客へのリップサービスだと思っていた。しかし、篠山で、本当に元気が出ることを発見したのだ。沿道の子供たちとハイタッチしたり、飴をもらって、声に出して「ありがとう」と言うだけで、ペースが上がるのだ。嘘だと思ったら、どこかの大会でやってみてほしい。ポイントは、応援にちゃんと反応すること。反応しなければ効果は少ないと思う。
15キロを過ぎてしばらくして、iPhoneの着信音。相手を見ると、仕事のスタッフからの電話。無視しようかな、と思ったけれど、思い直して通話にする。息が荒いので、びっくりしたと思う。「ごめん、いまマラソンを走ってるから」と話して電話を切る。あと2キロぐらいの地点で、右足のふくらはぎにビリッと電気が走ったような違和感を感じた。これは足が痙攣を起こす前兆か?と思ったが、もう少しなので、ペースを変えずに走る。ただラストスパートをすると、かなりヤバい感じなので、ペースを変えずにゴールを目指す。最後はペースメーカーを追い抜き、折り返し地点から、ほぼ同じペースで従いてきていた小柄なランナーに抜き去られてゴール。2時間17分。ネットタイムで2時間14分。これまでで最も悪いタイムだった。荷物を受け取って、防寒ジャケットを羽織って、自宅に歩いて帰る。ゴールの15分後には、風呂場でシャワーを浴びていた。風呂から上がって、軽い昼食を食べたら、急に眠気が襲ってきた。こたつに入って昼寝をした。夕方までうつらうつら…。この気軽さは地元のマラソンならではである。
今シーズンの自分のマラソンは、これで終わらない。3月の篠山のフルに向けて、いままでの走り込み不足を取り返さなければならない。また2011年秋以降には神戸マラソン大阪マラソンがあり、2012年春には京都マラソンも始まる。出来れば、その全部の大会に出るつもりなので、練習しないと…。