20年来の探し物、見つかる。


先日、この20年ぐらい探していたものが見つかった。探し物は音楽。昔よく聴いていた曲で、ふとした拍子に口ずさむことがある歌。歌詞とメロディは、覚えているのだが、曲名と歌っていた歌手の名前がわからない。そんな曲が数曲あったのだが、最近は歌詞検索とか、ネットでいろんなサービスが提供されていて、ほぼ見つけることができたのだが、どうしても見つからない曲があった。その歌は、たぶん70年代、ラジオで流れていたのを、カセットテープに録音して聴いていたと思う。歌詞は断片的だが、かなり覚えている。女性ボーカルで、かなりアンニュイな感じの、ボサノバ風の曲だった。歌詞は、こんな感じ。
「風、夕暮れの風、流れゆく風、いとしいお前よ
波、夏の日の波、たわむれる波、いとしいお前よ
白い光、小さな時よ。胸の中で燃えた日には」
言葉そのものは、ありふれているが、けだるい歌い方が妙に心地よかった。先日、この「はてな」の「人力検索」で、この曲を質問してみた。すると翌日には回答が返ってきた。アーティストは「高岡美智子」という人。曲名は「影」だった。youtubeのURLも教えてもらい、20数年ぶりの再会を果たすことができた。人力検索、すごい。というか、時代が「検索」から「ソーシャルメディア」へ移行しつつあることの現れだろうか。
歌い出しは、「風」ではなく、「影」から始まる。
「影、過ぎてゆく影、流れゆく影、ふたりの思いを。」
見つけられなかったのは、そのせいかもしれない。名前がわかると、芋づる式にいろんな情報も出てくる。昔、ヤマハが主催していたPOPCONというコンテストがあって、多くのアーティストを生み出しているが、そこで出てきた人のようだ。いまは音楽活動はしていないらしい。iTune Storeでアルバムも買える。再会できたうれしさで、「まわり灯篭」というアルバムと「POPCON History」というオムニバスアルバムから2曲を購入。これが究極のロングテール?しかし探していた曲はCD化もデジタル化もされておらず、アナログレコードをオークションで手に入れるかどうか迷っている。30年ぶりぐらいに再会した曲の印象を書いておこう。曲のアレンジは、さすがに古いが、歌そのものは、今でも十分聴ける。特に気だるく突き放すような、クールな歌い方は、今でも魅力的だ。それより何より、懐かしさで胸がいっぱいになるのが、やばい。誰かが「年をとると、古いものしか受けつけなくなるから、むやみに古いものに触れないようにしたほうがいい」と言ってたなあ…。