足立倫行「激変!日本古代史  卑弥呼から平城京まで」


2〜3年に1度、古代史の本を無性に読みたくなる時期が訪れるが、今はその時期ではないので、割と冷静に読めた1冊。古代史おけるお決まりの「謎」を、古代史ビギナーの作家が、最先端の研究者たちに問いかけるというスタイルで語っていく。ちょうど自分のような「古代史大好きだけど、万葉仮名も読めないし、きちんと学術的な論文とかも難しすぎるけど、古代史の最近の動向を知りたい」古代史ファンにはうってつけの本。1日で読める新書という手軽さもよい。「箸墓古墳卑弥呼の墓なのか?」「纒向遺跡は、邪馬台国の首都だったのか?」「邪馬台国畿内説、九州説、どっちが優勢なの?」「聖徳太子は本当にいた人物なの?」「大化の改新の真相は?蘇我氏って悪者なの?」「伊勢神宮はいつ誕生したの?」等の疑問に簡潔に答えてくれる。読後の感想を言うと「激変!〜」というタイトルは大げさすぎると思う。出てきた説も「割と無責任な古代史読み物」を読み慣れているので、驚きがなかった。