岡田 斗司夫「いつまでもデブと思うなよ」

個人的に「岡田斗司夫を読んでみよう企画」第一弾。テレビに出てきた著者の激ヤセぶりに驚いた記憶がある。本書によると1年で50キロやせたという。すごいとしか言いようがない。なぜやせようと思ったのか、どんなダイエット法でやせたのか、とても気になっていたのだが、自分が肥満に悩んでいるわけではないので、購入には至らなかった。悩んでいないといっても、やはりお腹の脂肪が気なる年齢なので、一応実用的な意味も兼ねての読書である。本書に紹介されたワシントンポストの調査によると、過去70年間で2万6000種類のダイエット法が発表され、それらのダイエット法で目標体重に達した人は、5パーセント。さらに体重の維持に成功した人は、わずか0.5パーセントだという。その0.5パーセントになれた著者は、やはりただ者ではない、と思う。「いちばん住みたい街」の人気投票で、いつもトップになる吉祥寺に著者は住んでいる。毎年何十件ものレストランが開店するこの街で、著者は新しい店ができる度に店を訪れ、食べ歩いていた。その内、グルメ本でも出そうかと、著者はレストランのメモをとり始める。ある日、たまったメモを見ていて「なぜ自分は太るのだろう。」と思い、さらに詳細なメモをとりはじめる。口に入るものはすべて記録していく。すると不思議なことに体重が減りはじめたのだ。著者が提唱するダイエット法は、食べたものをすべて記録する「レコーディング・ダイエット」。具体的なダイエットの詳細は、本書を読んでもらうとして、自分が感心したのは、著者の実証的なやり方。まず、すべての細かい数字を集め、並べてみて、そこから問題を見つけていく。それは会社の経営でも同じなのだと。カード破産する人は必ず、自分の借金の総額を知らないという。肥満している著者は、自分は「体重的」に破産しているのかもしれない、とダイエット実行への決意を固めていく。
いま起きている現象を、詳細な数字で把握、理解し、その対処法まで自ら作り出し、実践してしまう著者のパワーには感服する。ダイエットのプロセスを「助走」「離陸」「上昇」「巡航」「再加速」「軌道到達」「月面着陸」の飛行機やロケットの話で語ってくれるのも楽しい。食品のカロリー計算は、コンビニに売っている商品なら、ほとんど表示されているという。また、わかりにくい食品の場合も、Webでほとんど調べられるという。
さて自分自身のダイエットだが、どうしようか。とりあえずiPhoneのアプリで食品のカロリーを記録できる適当なアプリを探そう。それを買ってから始めようかな。次の著作は「オタクはすでに死んでいる」だ。