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松田久一『「嫌消費」世代の研究』

「消費しない」若者が増えているという指摘は数年前からあった、若者の「クルマ離れ」「ブランド離れ」「モノ離れ」はじわじわと拡がりつつある印象だった。最近、この「消費しない消費者」を題材にした本がポツポツと出てきた。本書は「嫌消費」世代というネーミング、帯に書かれた「クルマ買うなんてバカじゃないの?というキャッチフレーズで目を惹く。その他、サブタイトルの『経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち』。帯のサブタイトル『強烈な「劣等感」をもつ新たな世代の誕生レポート』さらに帯の写真の、不機嫌そうな挑戦的な表情が強烈な印象を残す。読み込んでいくと、書いてある内容とタイトルの間に微妙なズレがあることに気づく。この世代は、どうも消費そのものを嫌っているのではないらしい。彼らの買いたいという欲求は、むしろ強いらしい。しかし、彼らの消費スタイルは「見せびらかし消費」であり、「バンドワゴン消費」なので、他人の視線や意見を気にするあまり、消費することができなくなっている。という分析は卓見だ。だから本書のタイトルの「嫌消費世代」はいわば「誇大広告」。「消費しない消費者」を、もう少し肯定的に捉えたのが三浦 展著「シンプル族の反乱」、三浦 展/原田曜平著「情報病」、原田曜平「近頃の若者はなぜダメになったのか」など。このような「消費しない消費者」の出現は、もはや世代論で片づけるべきではない、と思う。自分も「エンジン」のついた乗り物に興味がなくなっている。