幕末・明治維新

原田伊織「明治維新という過ち〜日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」

現在の日本は、明治維新が生み出した。 白井聡著「永続敗戦論」では、原発事故で露呈した現在の日本の劣化が、戦後の「敗戦への向き合い方に端を発している」という考察を知った。その白井聡と内田樹の対談「日本戦後史論」では、内田が、日本政府のTPPへの…

大岡敏昭「幕末下級武士の絵日記 その暮らしと住まいの風景を読む」

激動の幕末。2年前に吉田松陰処刑。前年には桜田門外で井伊大老暗殺。そして公武合体で皇女和宮が江戸へ下った文久元年。江戸から20里ほど離れた忍藩(おしはん)という小藩に、尾崎石城という下級武士が暮らしていた。彼は文章が巧みで、しかも絵がうまか…

東郷 隆「狙うて候」

作品は、著者自身がスペインのマドリードを訪れたエピソードから始まる。スペインの書店で、著者は、「ムラタ」という人物を描いたコミックを発見する。ムラタは、サムライの地位を捨てて、ヨーロッパに渡り、各国の射撃大会に出場して次々に優勝をさらって…

司馬遼太郎のマイベスト作品

司馬遼太郎の作品でマイベストは何だろう。最近、人に聞かれると「坂の上の雲」と答えることが多かったが、本当にそうだろうかと最近思うようになった。他に好きなのは、大村益次郎を描いた「花神」高田屋嘉兵衛を描いた「菜の花の沖」幕末の医師松本良順を…

吉岡 平「火星の土方歳三」

数年前、書店でタイトルを見て思わず吹き出してしまった。中年世代でE.R.バロウズの火星シリーズにハマッたSFファンなら、ニヤリとするはずだ。南北戦争のさなか、インディアンに追われた南軍兵士のジョン・カーターは逃げ込んだ洞窟で火星に瞬間移動す…

司馬遼太郎「北斗の人」

司馬遼太郎「北斗の人」 大河ドラマの「龍馬伝」を見ていて、龍馬が入門する千葉道場に興味がわいた。そういえば司馬遼太郎の小説に千葉周作を主人公にした小説があったことを思い出して購入。それまでの伝統的な、木刀などによる組み太刀の稽古法に代わり、…