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阿古真理「なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年」NHK出版新書

このところ仕事の資料で洋菓子とパンの本ばかり読んでいるが、その中で出会った出色の一冊。昨今のパンブームを取り上げたグルメ本の類だと思って読み始めたが、本書に描かれているのは、パンの歴史だけではない。パンを含む食文化はもちろんのこと、生活、…

鈴木大介「脳が壊れた」

isii marikoさんのおすすめ。凄い本だ。ルポライターが脳梗塞になり、その体験を自ら言語化した本。同じような成り立ちの本で、脳科学者が自らの脳卒中体験を書いた、ジル・ボルト・テイラー「奇跡の脳」があって、そちらも大のおすすめ。著者は、家出少女、…

佐伯啓思「さらば、資本主義」

本書を読むきっかけになったのは、以前のエントリーでも紹介したNHKスペシャル「新・映像の世紀 第2集 グレートファミリー 新たなる支配者」。その中で紹介されたケインズの言葉。以下引用。 「今、 我々がそのただ中にいるグローバルで、かつ個人主義的な…

鎌田浩毅「西日本大震災に備えよ  日本列島大変動の時代」

異色の火山学者。 著者は、このところ頻発する火山噴火のせいか、時々テレビで見る火山学の先生。最初に見た時は、赤い革ジャンとスキンヘッドという異色の風貌が印象に残った。いつも読む地震学の研究者とは違う視点を期待して購入。タイトルの「西日本大震…

千松信也「けもの道の歩き方 猟師が見つめる日本の自然」 

2009年のエントリーで取り上げた「ぼくは猟師になった」の著者の2冊目。大学を出て猟師になった著者は、40歳になった。結婚して、子供もいるが、猟師としての生活はいまも続けている。11月から2月の猟期には、ワナをしかけて、イノシシ、シカを獲る。網猟で…

NHKスペシャル取材班「老後破産 長寿という悪夢」

大型書店の店頭。その老人は、新刊コーナーの前で一冊の本を長い間読んでいた。老人の前に僕が買いたい本があったので、そばでしばらく待っていたが、老人が動く様子が無いので、他の本を探した。新刊コーナーの棚を一周回って戻ってきても、まだ老人は同じ…

佐藤尚之『明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法』

「明日の広告」「明日のコミュニケーション」に続く「明日の〜」シリーズ第3弾。広告が効かない。生活者とのコミュニケーションがますます難しくなっている。マス広告の終焉…。広告業界の人間にとっては、この十数年は、敗北と撤退の連続である。どこまで落…

坂口恭平「独立国家のつくりかた」「現実脱出論」

著者の本は3〜4冊目。以前に「ゼロからはじめる都市型狩猟採集生活」という著作を読んでいる。都市に暮らすホームレスたちの生活を取材して「今、自分が一文無しで都会に放り出されても、ちゃんと生きていく方法がある」ということを紹介した本である。著…

伊藤洋志「ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方」

平川克美「『消費』をやめる 銭湯経済のすすめ」を補完してくれる、もう1冊。前回エントリーの「フルサトをつくる」が「場所」をめぐる話だったが、こちらは「仕事」をめぐる話。著者は「フルサトをつくる」の著者のひとりである伊藤洋志。今、世の中で理想…

伊藤洋志×pha「フルサトをつくる 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方」

前回のエントリーで書いた平川克美『「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ』は、とても説得力がある強力な本だった。著者の主張は、ほぼ納得できたのだが「消費をやめる生活」のサンプルとして、提示された著者自身の生活(住居、喫茶店、仕事場、銭湯を結んだ…

平川克美「『消費』をやめる 銭湯経済のすすめ」

春企画の新開さんに紹介してもらった。出るべくして出てきた本。タイトルの「『消費』をやめる」とは過激だ。僕たちは、物心ついてからずっと、自分たちが消費者であると教えられてきた。それを疑いもしなかった。そんな僕たちにとって「消費をやめる」とい…

原田曜平「ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体」

「ヤンキーブーム」といえば、今はこちらを指すんだろうな。著者は博報堂ブランドデザイン 若者研究所のマーケティングアナリスト。2013年には消費しない若者たちの気質をとらえた「さとり世代」という著書を出版している。著者によると、かつての典型的な「…

斎藤 環「世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析」

「ヤンキー」が話題である。「マイルドヤンキー」とか言うらしい。とても気になるし、その議論に違和感を覚える。本書は2012年に出版された本だが、感想がうまく書けないでいた。現在の「ヤンキーブーム」のきっかけを作ったような本であり、再読してみた。…

南直哉 為末大「禅とハードル」

ランニングについて多くの本が出版されているが、そのほとんどが入門本である。ランニングの効果や効用にはじまり、道具選び、練習方法、マラソン出場のノウハウなどが書かれている。これはこれで有用なのだが(すでに30冊以上購入)「人はなぜ走るのか」「…

クリス・アンダーソン「MAKERSー21世紀の産業革命が始まる」

Kindleで読みたかった。 「FREE」「ロングテール」に続く第3弾。Kindle版で読みたかったが、肝心のKindleが1月配達なので、紙の本を買う。Webやデジタルの世界で起きている潮流が、今度は製造業を変えていこうとしている。その変化を描いた本だ。ワクワク…

山崎亮「まちの幸福論  コミュニティデザインから考える」

著者の関わる本が、ほぼ同時に3冊出た。スタジオ-Lの仕事ぶりをアドベンチャーゲーム形式で手法で紹介した「コミュニティデザインの仕事」。対談集「幸せに向うデザイン—共感とつながりで変えていく社会」。本書は、著者の執筆とNHK Eテレの番組「東北発☆未…

内田樹「呪いの時代」

いま僕が最も信頼している論客、内田樹センセイの著書。出れば必ず買う著者の一人。昨年末に読了していたが、今回は、ちょっと気になることがあって、感想を書きあぐねているうちに、もう次の著書が出てしまった。(中沢新一との対談集「日本の文脈」)著者…

佐藤尚之『明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法』

著者とは過去に何度か仕事を一緒にしたことがあり、現在も自分が勤める会社が一緒に仕事をさせていただいている。それにしても、ここ2年ほどの著者の活躍はただごとではない。鳩山首相との会食に始まり、震災以降の八面六臂の奮闘ぶりはソーシャルメディアの…

レイチェル・ボッツマン/ルー・ロジャース「シェア」再読

この本は「2回以上読まないといけない」と思った。 この本を最初に読んだ時は大きな衝撃を受けた。http://d.hatena.ne.jp/nightlander/20110513/1305261517自分が、この1〜2年考え続けている問題のヒントが、この本の中にあると思った。しかも大震災以降…

山崎亮「コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる」

知人のtwitterのつぶやきで知り、「情熱大陸」でも紹介された話題の人。本が出ている。こんな風に急に話題になる人の本は、あっという間に書店でもネット書店でもあっと言う間に売り切れになるので、すぐ買いに行かねばと、打合せの帰りに茶屋町のマルゼン&…

中沢明子・古市憲寿「遠足型消費の時代  なぜ妻はコストコに行きたがるのか」

デフレや不況でモノが売れなくなっている、というのは「お父さん」の世界の話。お父さんではない「女こども」の市場では、次々にヒットが生まれている。モノが売れないというのは、売る側の怠慢だ、という主張。例としてあげられているのが、IKEA、コストコ…

高城剛「私の名前は高城剛。住所不定、職業不明」

数年前から、自らのライフスタイルを一変させ、オーガニック・ノマドと言ってもいいような生活を送っている高城剛が、自らを語った初めての本。この人は、どこか胡散臭くて信用できない、という人もいるが「時代を見る眼の確かさ」「物事の見きわめの早さ」…

レイチェル・ボッツマン/ルー・ロジャース「シェア」

三浦展「これからの日本のために『シェア』の話をしよう」に続く「シェア」の2冊目。2冊とも、自分にとって、とても重要な本になると思う。そして、ここ数年、考え続けている問題の答があると思った。しかし読んでいる途中は、かなり辛かったことも告白し…

三浦展「これからの日本のために『シェア』の話をしよう」

この本を読みはじめた時に、東日本大震災が起きた。 被災地の報道を目にして、言葉を失った。発生から2週間以上経過しても失語症状態は続いている。震災の報道を見ているだけで体調が悪くなったり、うつ状態になったりすることがあるという。阪神大震災の時…

ポークパイを買う。

帽子好きである。先日、「ポークパイ」というスタイルの帽子を買った。このところハンチングばかり買っているので、ハットは久しぶり。持っている帽子を数えてみると、40個ぐらいある。ランニング用のキャップだけで10個余り。ハットが10個。ハンチン…

曽野綾子「老いの才覚」

「老い」「老後」「高齢者」などの言葉に敏感になっているこの頃。自分自身が年をとってきて、そして親が後期高齢者になって認知症とか介護の問題に直面しているせいだろう。新書で、この手の本をあまり買う気はしないのだが、タイトルの「老い」と「才覚」…

三浦展+SML「高円寺 東京新女子街」

高円寺が、時代とシンクロしているらしい。「下流社会」「シンプル族の反乱」などで知られる著者は、パルコのマーケティング情報誌「アクロス」の時代から自分にとって最も信頼できるトレンドウォッチャーだった。朝日新聞のインタビューの中で、本書を書い…

かとうちあき「野宿入門」

自分の中では「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」に続く、都市型アウトドア生活の入門書。著者は30歳になる女性。ミニコミ誌「野宿野郎」の編集長だという。逞しい精悍な女性を想像してしまうが、Webで画像をググると、スラリとして、ボーイッシュで、涼や…

坂口恭平「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」

書店の新刊コーナーで「都市型狩猟採集生活」という言葉が目に飛び込んできて、思わず購入。以前のエントリーで、大学を出て猟師になった千松信也氏の「ぼくは猟師になった」を取り上げたが、こちらは「都市型」という「型」がつく。阪神大震災の日の夜、す…

岡田斗司夫「オタクはすでに死んでいる」

自分も時々オタクと呼ばれることがある。別に反論する程のことではないと思っているし、別に気にしたこともない。だから、これまで「オタクとは何か」とか「オタクの考察」とかにまったく興味が持てなかった。個人的に「岡田斗司夫を読んでみよう企画」第2…

岡田 斗司夫「いつまでもデブと思うなよ」

個人的に「岡田斗司夫を読んでみよう企画」第一弾。テレビに出てきた著者の激ヤセぶりに驚いた記憶がある。本書によると1年で50キロやせたという。すごいとしか言いようがない。なぜやせようと思ったのか、どんなダイエット法でやせたのか、とても気にな…

岡田斗司夫 小飼弾「未来改造のススメ」

「単身急増社会の衝撃」を読んだ後、もっと軽い本を読みたくて、選んだ本。岡田斗司夫と小飼弾との対談集。しかし、あまりののギャップに頭のスイッチが切り替わらず、対談の流れについて行けない。荒唐無稽な話がポンポン飛び出してくる。そんな見出しの一…

藤森克彦「単身急増社会の衝撃」

本が読めない。 暑いのと、仕事が忙しいのとで、読書が進まない。こんな時はサクサク読めるミステリーか、ハイテク軍事スリラーか、時代小説を読むのがいちばんなのだが…。憂鬱なテーマの本書、読了まで1週間以上も費やしてしまった。 「無縁社会」=「単身…

マーク・ローランズ「哲学者とオオカミ」愛・死・幸福についてのレッスン

この本の存在は友人に教えてもらった。新聞の書評欄でも読んだ記憶がある。読むまでは「オオカミ」というのは比喩だと思っていた。本書は、そうではなく哲学者が現実にオオカミと一緒に暮らした話なのである。「オオカミなんて飼うことができるのか?」とか…

内田樹「邪悪なものの鎮め方」

2月のエントリーに本書の購入エントリーがある。ちらっと「1Q84」について書かれた章を読んで、ちょっと遠ざかっていた。同じ著者と釈徹宗との対談「現代霊性論」を先に読み、さらに他の本にいろいろと浮気している内に家人に先に読まれてしまい、なかなか…

クリストファー・マクドゥーガル「BORN TO RUN 走るために生まれた」

スゴい本だ。書店で見つけた時に気になっていたが、まさかこれほどの本とは。間違いなく今年の「マイ・ベスト3」に入りそうな本。著者は、自らがエクストリーム・スポーツも手がけるアスリートでもあるジャーナリストだ。しかしランニングだけは、多くの故…

金哲彦「走る意味 命を救うランニング」

ランニング初心者として金哲彦氏の本は何冊か読んでいる。中でも「3時間台で完走するマラソン まずはウォーキングから (光文社新書)」は、2008年の東京マラソン挑戦の時の参考書として何度も何度も読んだバイブルだ。著者が提唱する「体幹ランニング」と…

難波功士「ヤンキー進化論  不良文化はなぜ強い」

いま、マーケティングの分野で「ヤンキー」が注目されているという。比較的早く結婚し、子だくさんで、親や家族を大切にする。地域の行事やコミュニティにも積極的に参加する…。ほんとうなの?と思う。現状や社会に対して不満を持って、つっぱっていた不良世…

隈研吾+三浦展「三低主義」読了

「負ける建築」の建築家、隈研吾と「下流社会」「シンプル族の反乱」を書いた三浦展の対談。「三低主義」とは、女性が結婚相手を選ぶ歳の「三高主義:高学歴・高所得・高身長」に代わる新しい男性の理想像「低リスク」「低依存」「低姿勢」のことらしい。目…

隈研吾+三浦展「三低主義」

「シンプル族の反乱」の著者である三浦展と建築家 隈研吾の対談。目次をさっと見て、「進歩の終わりの時代」という言葉が目に飛び込んできて購入。個人的に、「進歩」「効率化」「成長」という言葉に代わるキーワードを求めているのである。

千松信也「ぼくは猟師になった」

めずらしい人もいるものだ。大学(京大)を出て、猟師になった人の話。猟師では食べていけないので、運送会社でバイトをしながら猟師を続けている…。 そうなんだ。日本では、猟師は食べていけないのだ。前半は、なぜ猟師になったか?という生い立ちの話。小…