ノンフィクション

藤田日出男「隠された証言 日航123便墜落事故」

「日航123便墜落事故」関連の本を読んでいる。 8月28日のエントリーで書いた 青山透子「日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る」 - 読書日記 を読んで以来、あの事故のことが気になってしかたがない。そこで、いろいろ読んでみることにした。大型書…

高城剛「不老超寿」

「ドローン」の次は「医療」かよ! 著者の高城剛にはいつも驚かされる。デジタルメディアのクリエイターとして活躍しているかと思ったら、突然、会社や財産をすべて処分して、世界中をLCCを駆使して移動する生活を送ったり、専用の炊飯器を持ち歩いて「発芽…

クリスティ・ウィルコックス「毒々生物の奇妙な進化」

ヘビこわい。すべての霊長類がヘビを怖れる。産まれて間もない赤ん坊もヘビをこわがるという。ほとんど生理的ともいえるような、あの恐怖感は、いったいどこから来るのだろう?その答は本書のなかに記されている。約6000万年前に、この爬虫類に起きた、ある…

青山透子「日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る」

他の本を探していて、ふと目について、思わず買ってしまった本。 8月12日が近づいたある日、大型書店で別の本を探していて、偶然、本書に出会った。そうだ、もうすぐあの日がやってくる、と、本書を手に取った。帰りの電車の中で読みはじめ、帰ってからもベ…

大西康之「東芝解体 電機メーカーが消える日」

僕のコピーライターとしてのキャリアの8割ぐらいは、家電メーカーの広告や販促、イベントに関わる仕事だった。そして後半は、通信大手の広告や販促にも関わった。今世紀に入ってからの仕事は、本書で描かれた電機メーカー凋落の時期と重なっている。その間…

阿古真理「小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代」

以前のエントリーで書いた「なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか」の著者による本。その後、著者の本を数冊読んだが、本書は、その中で最も面白かった著作である。「なぜ日本のフランスパンは〜」が、単なるグルメ本ではなく、食文化の変遷を通して…

鈴木大介「脳が壊れた」

isii marikoさんのおすすめ。凄い本だ。ルポライターが脳梗塞になり、その体験を自ら言語化した本。同じような成り立ちの本で、脳科学者が自らの脳卒中体験を書いた、ジル・ボルト・テイラー「奇跡の脳」があって、そちらも大のおすすめ。著者は、家出少女、…

上杉 聰『「憲法改正」に突き進むカルト集団 日本会議とは何か」

日本会議というの組織のことを知り、その活動の実態が明らかになって来ると、強い悔恨の気持ちにとらわれてしまう。70年代以来、僕らが政治に興味を失い、背を向けるようになってしまったこと。そして、その後、僕らが大量生産大量消費、経済至上主義にどっ…

菅野完「日本会議の研究」

本書は、ずいぶん売れているようだ。大手書店でも新刊コーナーで平積みされているところが多い。5月のはじめに発売されてから1ヶ月足らずでAmazonのレビューも100件を超え、さらに増加中。売れて当然だと思う。「日本会議」は、安倍政権の閣僚のほとんどが…

高城剛「空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか? ドローンを制する者は世界を制す」

読んで、かなりショックを受けた。これまで著者の本を何冊読んできたことだろう。怪しいという人もいるが、新しいトレンドを嗅ぎ分ける嗅覚の鋭さと、自身のライフスタイルすらガラリと変化させてサバイバルしていく柔軟性には、いつも驚かされる。著者は、2…

T・マーク・マッカリー中佐&ケヴィン・マウラー「ハンター・キラー アメリカ空軍・遠隔操縦航空機パイロットの証言」

本書は無人機のひとつである「プレデター」のパイロットが書いた本である。数年前、フランスのパロット社の「ARドローン」を買って飛ばしてみて、物凄く大きな可能性を感じたことを覚えている。「無人機:ドローン」は、世の中に大きな変化を引き起こすイノ…

沢木耕太郎「キャパの十字架」

いやあ面白かった。400ページ近いボリュームにも関わらず、一晩で読了。本書の内容は、2013年にNHKの番組で放送されたものと同じだと思うが、残念ながら見逃している。文庫になって購入したが、この内容なら単行本で買ってもよかった。 写真「崩れ落ちる兵士…

宮本喜一「ロマンとソロバン-----マツダの技術と経営、その快走の秘密---」

11/19のエントリーでマツダの広告について書いたが、 マツダの「Be a driver.」キャンペーンに感じたこと。 - 読書日記 マツダに何が起きているのか、俄然、興味が湧いてきた。企業が外部から見えるほど変化している時、その内部では驚くほど大きな変化が進…

半藤一利「ノモンハンの夏」

「ノモンハン? モンハン? ゲーム?」 ひと月ほど前にテレビを見ていて、椅子から転げ落ちそうになった。朝の報道番組で、若者に太平洋戦争や占領時代のことを知っているかをたずねる企画で、確か若い女性だと思うが、「マッカーサー? え? マッカートニー…

原田伊織「明治維新という過ち〜日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」

現在の日本は、明治維新が生み出した。 白井聡著「永続敗戦論」では、原発事故で露呈した現在の日本の劣化が、戦後の「敗戦への向き合い方に端を発している」という考察を知った。その白井聡と内田樹の対談「日本戦後史論」では、内田が、日本政府のTPPへの…

須田桃子「捏造の科学者 STAP細胞事件」

結局、STAP細胞事件とは、何だったんだろう。先月、理研が小保方晴子元研究員への告訴を見送る方針であるとの報道があった。あれほど世間を騒がせたSTAP細胞事件が、「誰が、いつ、どんな動機で、どのように捏造を行ったのか?」という肝心の点が解明されな…

クリス・カイル「アメリカンスナイパー」原作と映画と。

実在のスナイパーの自伝。クリント・イーストウッド監督で映画化され、戦争映画としては「プライベート・ライアン」を超える興行収入を上げている。昨年から予告編などで知っていたが、実在の人物が主人公とは知らず、単にスナイパーが主人公のアクション映…

大岡敏昭「幕末下級武士の絵日記 その暮らしと住まいの風景を読む」

激動の幕末。2年前に吉田松陰処刑。前年には桜田門外で井伊大老暗殺。そして公武合体で皇女和宮が江戸へ下った文久元年。江戸から20里ほど離れた忍藩(おしはん)という小藩に、尾崎石城という下級武士が暮らしていた。彼は文章が巧みで、しかも絵がうまか…

矢部宏治『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』

Hさんのおすすめ。シェアします。 著者の本は初めて読んだが、内容は衝撃的としか言いようがない。自分には内容をきちんと紹介するだけの知識や見識がないが、できるだけ多くの人に読んでほしいと思う。沖縄、普天間基地の話から本書は始まる。普天間の基地…

丸山宗利「アリの巣をめぐる冒険 未踏の調査地は足下に」

著者は悪魔怪人。 前回エントリーの小松貴著「裏山の奇人」にも登場する悪魔怪人こと丸山宗利が本書の著者である。丸顔童顔の少年のような風貌の、どこが悪魔怪人なのか…。最近、著者による新書「昆虫はすごい」を読んだばかり。面白かった。また著者による…

小松貴「裏山の奇人 野にたゆたう博物学」

本書は東海大学出版部「フィールドの生物学」シリーズの第14弾。読むのが3冊目になるこのシリーズは、とにかく面白い。若い研究者による執筆のせいだろうか。難点は部数が少ないせいか、価格が高いこと。ソフトカバーで全巻2160円(税込)というのはちょっと…

細 将貴「右利きのヘビ仮説 追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化」

時々「ヘビの本」を読みたくなる。 大型書店に行く度に、時間があれば「サイエンス」のコーナーを必ずチェックするが、中でも「生物」のコーナーの「爬虫類」の棚で「ヘビ関連」の本を必ずといってよいほど探している自分がいる。ヘビの本が見つかると、目次…

早野龍五 糸井重里「知ろうとすること」

友人のIさんのtwitterのつぶやきで知った本。 東日本大震災の直後、様々な情報が錯綜する中で、発表されたデータを淡々と分析し、twitterで発表し続ける科学者がいた。原子物理学者、早野龍五。デマや憶測を含む不確かな情報が飛び交う中で、信頼できる情報…

平川克美「『消費』をやめる 銭湯経済のすすめ」

春企画の新開さんに紹介してもらった。出るべくして出てきた本。タイトルの「『消費』をやめる」とは過激だ。僕たちは、物心ついてからずっと、自分たちが消費者であると教えられてきた。それを疑いもしなかった。そんな僕たちにとって「消費をやめる」とい…

最相葉月「星新一 一〇〇一話をつくった人」

著者のノンフィクション「セラピスト」がとてもよかったので、他の作品を読みたくて、「なんといふ空」と「仕事の手帳」というエッセイを読んだ。その「仕事の手帳」の中で紹介されていたのが本書。読んでみたら「セラピスト」以上に衝撃を受けた。なんでも…

斎藤 環「世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析」

「ヤンキー」が話題である。「マイルドヤンキー」とか言うらしい。とても気になるし、その議論に違和感を覚える。本書は2012年に出版された本だが、感想がうまく書けないでいた。現在の「ヤンキーブーム」のきっかけを作ったような本であり、再読してみた。…

最相葉月「セラピスト」

今年のマイベストになりそうな予感。というより、この数年来の読書の中でもベストかもしれない。面白さ、読み応え、スリリングさ、感動の深さ、知的満足感、読後感…。どこを取っても文句なし。一人でも多くの人に読んでほしい。それで、人に薦めようとするの…

吉野裕子「蛇 日本の蛇信仰」

「鏡餅」の由来を知っているだろうか? 一説には、穀物神である年神(歳神)へのお供えであり、三種の神器である、八咫鏡(やたのかがみ)を形どったと言われるが、明らかではない。 本書によると、大小の餅を重ねた、あの形は「トグロを巻いた蛇」を現して…

高山貴久子「姫神の来歴 古代史を覆す国つ神の系譜」

古代史本をもう一冊。 前回エントリーの村井康彦「出雲と大和」と前後して読んだ。「出雲と大和」は歴史学者による古代史幻想紀行ともいえる本だったが、偶然、本書も、歴史の舞台を訪ね歩く古代史紀行のような構成となっている。著者は古代史には、まったく…

川上和人「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」

あなたは、ふだん「恐竜」の本を買うだろうか?よく立ち寄る書店の新刊コーナーで、ある日、あなたは「恐竜」に関する新しい本を目にする。著者の名前は知らない。価格は1974円。その本を手に取ってレジに持っていくだろうか?僕は買わない。「恐竜」のこと…