サイエンス
「A I ブーム本」っぽいが、内容は正反対。 前作の「AI vs 教科書が読めない子どもたち」と同じく「AIブームに乗っかって売らんかなの意図丸出し」のようなタイトルだが、中身は全然違っている。逆にAIブームの不毛さを警告するような内容である。そして何よ…
日本人の80%は自分の声が嫌い。 仕事柄、取材やインタビューなどで録音された自分の声を聴くことが時々あるが、そのたびに、ほとんど生理的と言ってもいいほど強い拒絶反応が起きる。「なんで自分の声は、こんなに薄っぺらで、フニャフニャしてて、貧相なん…
自動車産業の動きが激しい。少し前から自動車関連の仕事に関わる機会があって、自動車産業のトレンドを継続的にウォッチしている。しかし、ここ1〜2年の自動車産業の動きは、激しすぎて、その全貌が見えない。特に本書に書かれているような「EVブーム」は…
石油の国で、世界最大の太陽光発電所を建設。 冒頭から、いきなり衝撃が来る。世界でも有数の産油国であるアラブ首長国連邦のアブダビで建設が進む世界最大の太陽光発電所。太陽光パネル300万枚を使用し、原発1基に相当するというこの発電所から生まれる電力…
「いじめ」の報道がいっこうになくならない。「いじめ」が明らかになるのは、多くの場合、いじめに遭った被害者が自殺するなど、最悪の事態になってからである。そして学校側は、判で押したように「いじめの事実は認められない」と発表。それに満足できない…
「ブレードランナー2049」を観る前に。40年ぶりの再読。
「ドローン」の次は「医療」かよ! 著者の高城剛にはいつも驚かされる。デジタルメディアのクリエイターとして活躍しているかと思ったら、突然、会社や財産をすべて処分して、世界中をLCCを駆使して移動する生活を送ったり、専用の炊飯器を持ち歩いて「発芽…
ヘビこわい。すべての霊長類がヘビを怖れる。産まれて間もない赤ん坊もヘビをこわがるという。ほとんど生理的ともいえるような、あの恐怖感は、いったいどこから来るのだろう?その答は本書のなかに記されている。約6000万年前に、この爬虫類に起きた、ある…
isii marikoさんのおすすめ。凄い本だ。ルポライターが脳梗塞になり、その体験を自ら言語化した本。同じような成り立ちの本で、脳科学者が自らの脳卒中体験を書いた、ジル・ボルト・テイラー「奇跡の脳」があって、そちらも大のおすすめ。著者は、家出少女、…
読んで、かなりショックを受けた。これまで著者の本を何冊読んできたことだろう。怪しいという人もいるが、新しいトレンドを嗅ぎ分ける嗅覚の鋭さと、自身のライフスタイルすらガラリと変化させてサバイバルしていく柔軟性には、いつも驚かされる。著者は、2…
異色の火山学者。 著者は、このところ頻発する火山噴火のせいか、時々テレビで見る火山学の先生。最初に見た時は、赤い革ジャンとスキンヘッドという異色の風貌が印象に残った。いつも読む地震学の研究者とは違う視点を期待して購入。タイトルの「西日本大震…
面白いとは聞いていたけれど、600ページ近いボリュームと火星有人探査という平凡なテーマのせいで敬遠していた。2016年2月公開のリドリー・スコット監督「オデッセイ」の原作、ようやく購入。2日強でいっき読み。いや文句なしに面白かった。 古くて新しい…
駅で偶然会ったデザイナー、M君のオススメ。今年の春にすでに購入ずみだったが、買ったことをすっかり忘れていた。本書のテーマは「インターフェイス・デザイン」。2年ほど前にスマホのアプリのUIをデザインする仕事に関わっていて、「フラットデザイン」「…
僕には子供もなく、しかもオヤジでもあるので、ほぼ関係ない本である。しかし、この本に書かれていることはほぼ正しいと思う。茂木健一郎氏も、若者に向けて「これからは英語とプログラミングが必須科目」と言っている。僕自身も、アプリ開発やインターフェ…
結局、STAP細胞事件とは、何だったんだろう。先月、理研が小保方晴子元研究員への告訴を見送る方針であるとの報道があった。あれほど世間を騒がせたSTAP細胞事件が、「誰が、いつ、どんな動機で、どのように捏造を行ったのか?」という肝心の点が解明されな…
メルマガ「週刊MEGA地震予測」の発行元「JESEA」顧問。 現在、僕が唯一有料で購読しているメルマガ「週刊MEGA地震予測」。著者は、このメルマガを発行しているJESEA(地震科学探査機構)の顧問である。著者は元々測量工学が専門の研究者で地震の研究者ではな…
著者は悪魔怪人。 前回エントリーの小松貴著「裏山の奇人」にも登場する悪魔怪人こと丸山宗利が本書の著者である。丸顔童顔の少年のような風貌の、どこが悪魔怪人なのか…。最近、著者による新書「昆虫はすごい」を読んだばかり。面白かった。また著者による…
本書は東海大学出版部「フィールドの生物学」シリーズの第14弾。読むのが3冊目になるこのシリーズは、とにかく面白い。若い研究者による執筆のせいだろうか。難点は部数が少ないせいか、価格が高いこと。ソフトカバーで全巻2160円(税込)というのはちょっと…
時々「ヘビの本」を読みたくなる。 大型書店に行く度に、時間があれば「サイエンス」のコーナーを必ずチェックするが、中でも「生物」のコーナーの「爬虫類」の棚で「ヘビ関連」の本を必ずといってよいほど探している自分がいる。ヘビの本が見つかると、目次…
友人のIさんのtwitterのつぶやきで知った本。 東日本大震災の直後、様々な情報が錯綜する中で、発表されたデータを淡々と分析し、twitterで発表し続ける科学者がいた。原子物理学者、早野龍五。デマや憶測を含む不確かな情報が飛び交う中で、信頼できる情報…
映画「風立ちぬ」以降、宮崎駿の発言が気になって色々読んでいる。考えてみると宮崎駿作品は、ほとんど見ているが、巨匠の発言そのものを読もうとしたことはなかった。しかし引退宣言やNHKの番組で、巨匠の発言を聞いたりしていると、やはり面白い。雑誌CUT…
あなたは、ふだん「恐竜」の本を買うだろうか?よく立ち寄る書店の新刊コーナーで、ある日、あなたは「恐竜」に関する新しい本を目にする。著者の名前は知らない。価格は1974円。その本を手に取ってレジに持っていくだろうか?僕は買わない。「恐竜」のこと…
本書を読んだ後、前々作「脳のなかの幽霊」をパラパラと拾い読みしていたら、何だか面白くなってきて、結局、全部読み通してしまった。異様にわかりやすくて面白かった前々作に比べると新作「脳のなかの天使」はちょっと後退。その一方で扱われているテーマ…
久しぶりのサイエンスドキュメンタリー。本探しの参考にさせてもらっているサイトの一つにKinokuniya BOOKWEBの書評空間BOOKLOGの朱野帰子氏のブログがある。同ブログは、「いい本」というより「ちょっとヘンな本」を紹介してくれるのだが、中でも本書は「ヘ…
機械VS人類。 スピルバーグ監督による映画化という帯のコピー惹かれて購入。進化した機械が人類に反乱を起こすというテーマは、SFの黎明期から繰り返し描かれてきた。この「機械と人類の戦い」という物語は、昔は遠い夢物語だったが、新しくなるに従ってリア…
2カ月以上も間が空いてしまった。 本は以前と変わらず読んでいるのだが、感想が書けなくなってしまった。幾つかの個人的な事情や、仕事のこともあり、精神的に余裕がなく、読んだ本の中身を、きちんと自分の中で消化するためのエネルギーが枯渇しているみた…
こんな凄い本を、なぜ今の今まで知らなかったのだろう。少し前に書店の文庫コーナーで見つけて気になっていたが、その時は買わなかった。買うきっかけになったのは4月23日放送のNHK Eテレの「スーパープレゼンテーション」で、著者のTEDトークを見たことだ…
生物学者でありながら「小説家の文章」を書いてしまう希有な著者、福岡伸一によるフェルメール紀行。世界中に散らばったフェルメール作品を、所蔵している美術館において鑑賞するという贅沢な企画である。ANAの機内誌「翼の王国」に連載された。著者は、例え…
海洋をテーマにした文学は、大好きなジャンルだが、その中でも深海を舞台にした「深海もの」は、どんな駄作でも必ず買ってしまう分野。古くは、ジュールベルヌの「海底二万里」。A.C.コナンドイル「マラコット深海」。A.C.クラークの「海底牧場」。最近では…
今でも書店で平積みのベストセラー。 昨年のベストセラーを今ごろ読了。クライトン風のハイテクスリラー、SF、軍事モノと、ジャンルを超越している。アメリカのネオコン、ルワンダの虐殺など、人類の悪意や暴力を語る視点は、伊藤計劃「虐殺器官」を思わせる…